第13回 “根が深い”旧システムからDocker環境への移行をどうするか古賀政純の「攻めのITのためのDocker塾」(4/4 ページ)

» 2016年01月06日 07時30分 公開
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 4番目の方法では、他社が提供するパブリッククラウドでのDocker対応をチェックする必要がありますが、そもそも旧システム全体を吸い出した巨大なファイルサイズのDocker用のtarアーカイブをパブリッククラウド上のDocker環境へ移植できるかどうか調査しなければなりません。もしパブリッククラウド上でハイパーバイザ型の仮想化基盤が提供されている場合は、そのままハイパーバイザ型の仮想化基盤のゲストOSに移行するか、あるいは仮想化基盤上に、さらにDocker環境を構築して、旧資産を移行するなどの対策を考える必要があります。

 また、前回のConvoyの紹介記事でも説明したように、情報セキュリティの観点から機密性の高いデータなどをクラウド基盤に置くことのリスクも考慮する必要があります。ちなみに、米Bigstepは、物理サーバのホスティングを手がける企業であり、ビッグデータなどの高速なコンピューティングシステムを求めるユーザー向けのクラウドサービスを提供しています。

セキュリティ、イメージサイズ

 この高速なコンピューティングシステムは、米国Hewlett Packard Enterprise製の物理サーバ「HPE ProLiant Gen9」を使ったクラウド基盤であり、Bigstepでは、「フルメタルクラウド」と呼んでいます。Bigstepは、このフルメタルクラウドのサーバが持つコンピューティングリソースをユーザーへ効率的に提供するために、Dockerの利用を推進しています。BigstepのWebサイトを見ると、Dockerへの取り組みなどが掲載されています。ぜひ一読することをお勧めします。

Dockerでベアメタルクラウドを提供

(第14回はこちら

古賀政純(こが・まさずみ)

日本ヒューレット・パッカード株式会社 オープンソース・Linuxテクノロジーエバンジェリスト。兵庫県伊丹市出身。1996年頃からオープンソースに携わる。2000年よりUNIXサーバーのSE及びスーパーコンピューターの並列計算プログラミング講師、SIを経験。2006年、米国ヒューレット・パッカードからLinux技術の伝道師として「OpenSource and Linux Ambassador Hall of Fame」を2年連続受賞。プリセールスMVPを4度受賞。現在は日本ヒューレット・パッカードにて、Linux、FreeBSD、Hadoop、Dockerなどのサーバー基盤のプリセールスSE、文書執筆を担当。Red Hat Certified Virtualization Administrator, Novell Certified Linux Professional, Red Hat Certified System Administrator in Red Hat OpenStack, Cloudera Certified Administrator for Apache Hadoopなどの技術者認定資格を保有。著書に「Docker 実践ガイド」、「CentOS 7実践ガイド」「Ubuntu Server実践入門」などがある。趣味はレーシングカートとビリヤード。


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