「IoT」で変わる、ITインフラの“理想形”と“現実解”
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» 2016年03月01日 08時00分 公開

今さら聞けない、IoTの基礎知識【前編】:2016年、企業がIoTに着手しなければいけない理由 (3/4)

[やつづかえり,ITmedia]

“IoT格差”は広がりつつある

 ビジネスチャンスは多い一方で、日本全体としてIoTへの取り組みはまだまだ動きが鈍いのが現実だ。しかし八子氏によれば、一部の企業では既にかなりのレベルまでIoT化が進んでいるという。

 「例えば、建設機械のコマツなどはIoTやM2M(Machine to Machine)といった言葉が出てくるずっと前から、センサーからデータを収集する取り組みをやっていますよね。最初は盗難防止のために建機にGPSを付けたところ、そのデータから世界中に散らばる建機の稼働状況が把握できることに気付き、トラブルや故障の予期へとつなげたわけです。そして、最近では建機の自動運転や工事のシミュレーションにまで進化している。

 これらはあくまで業務の自動化、無人化、効率化を進めていった結果です。彼らは当初はIoTという言葉は使っていませんでしたが、これもIoTなんです。また、小売大手のイオンはサイネージ連動型のクーポンとか、店内の誘導アプリとか、店舗ごとに少しずつ試験的な取り組みをしています。マーケティング用語ではO2Oやオムニチャネルと呼ばれている話ですが、われわれからするとIoTの1つですね」(八子氏)

 このように、IoTを意識しているか否かにかかわらず、現場のアナログな部分のIT化にどれだけチャレンジしてきたか――、この一歩を踏み出した時期によって、IoT化が進んでいる企業と、そうでない企業の差が大きく開いているのが現状なのだ。

photo 情報システムと制御システムを組み合わせて生まれる「スマートファクトリー」はこれだけの可能性を秘めている。新しい技術を取り入れることで、もっと違うさまざまなことが実現できるはずだという(出典:シスコ)

 「過去にファクトリー・オートメーションを取り入れて工場を最新化した人からすると、IoTは既視感があり、『まだ何かやらなきゃいけないのか』と思うかもしれません。とはいえ、20年前に最先端だった工場も、当時は存在しなかった新しい技術を取り入れることで、もっと違うことが実現できるはずなのです。

 GEは航空機のエンジンのデータを集めて分析ができるようにした結果、エンジンメーカーという領域を超えて、空港や燃料供給の会社向けにコンサルティングをするといった新しいビジネスに進出しています。生産性向上やコスト削減といった議論もいいですが、IoTで狙うべきはそこではなく、ビジネス領域のイノベーションなのです」(八子氏)

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