第6回 比較で読み解くソフトウェア定義ストレージの選定術データで戦う企業のためのIT処方箋(2/4 ページ)

» 2016年04月12日 08時00分 公開
[森本雅之ITmedia]

ステップ1 主要なサービスレベルから利用するSDS方式の選定する

 ストレージを利用する業務システムについて、データ更新頻度やデータ格納形式、サービスレベルを確認します(第1回第2回を参照)。なお、オブジェクトストレージはその構造からサーバベース型SDS方式に分類されますが、利用される規模や用途が明確に異なりますので、別のラインアップとして説明します。

 このステップでは、次のステップに備えて基本的な要件を確認するとともに、オブジェクト型が選択可能かを確認します。

1.利用する業務システム

  • 既存システム(ストレージのみ入替):オブジェクト型は選択不可
  • 新規システム(データベースや一般的な業務パッケージ):オブジェクト型は選択不可
  • 新規システム(アーカイブ用途):オブジェクト型を含めて選択可能

2.データ格納形式

  • 構造型:オブジェクト型は選択不可(例えばデータベースを利用しているもの)
  • 非構造型:オブジェクト型を含めて選択可能(例えばファイルサーバ、メールサーバ、仮想マシンイメージなど)

3.想定する利用容量

  • 100テラバイトまで:ゲートウェイ型を中心に検討する
  • 100テラバイト〜1ペタバイト:ゲートウェイ型またはサーバベース型のどちらかから検討
  • 1〜100ペタバイト:ゲートウェイ型またはサーバベース型を検討
  • 100ペタバイト以上:オブジェクト型を優先して検討

4.想定する性能(I/O単体性能要件と更新頻度)

  • 1000IOPS以上:ゲートウェイ型を優先して検討
  • 100〜1000IOPS:ゲートウェイ型またはサーバベース型のどちらかから検討
  • 100IOPS以下:どの方式も選択可能

 以上のポイントをまとめたものが次の図になります。

SDS方式の選定基準

 それぞれの要件について、左から右にたどっていくことで選択できる方式が確定します。

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