Microsoft、スマートフォン部門で1850人削減 「撤退はしない」とマイヤーソン氏

Microsoftが、最大1850人の人員削減を含むスマートフォンハードウェア部門の縮小計画を発表した。ナデラCEOは「電話事業では差別化できる分野にフォーカスする」としている。Windows & Devicesの責任者であるテリー・マイヤーソン氏は社内メモで、「縮小するが撤退はしない」「素晴らしい新端末を開発する」と語った。

» 2016年05月26日 07時08分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Microsoftは5月25日(現地時間)、スマートフォンハードウェア部門の縮小を発表した。世界で最大1850人の人員削減を実施する。

 そのほとんどは2014年に買収したフィンランドNokiaのハードウェア部門を子会社化したMicrosoft Mobile Oyの人員で、関連する他部門の最大500人も対象になる。リストラ費用として約9億5000万ドル(約1050億円)を第4四半期に計上する。

 サティア・ナデラCEOは発表文で「われわれは電話事業を差別化できる分野にフォーカスする。今後も、すべてのモバイルプラットフォームを横断する端末およびクラウドサービスにおける改革を続ける」と語った。

 ms mobile 1 MicrosoftのスマートフォンのWebサイト

 同社はWindows Phone端末「Lumia」シリーズを販売するNokiaのハードウェア部門を買収し、「Microsoft Lumia」ブランドで販売してきたが、赤字が続いていた。2015年7月には主にスマートフォン事業関連で7800人の人員削減と約76億ドルの評価損を計上している。

 ms mobile 2 米国で販売しているLumia 950 XLとLumia 950

 発表文では同社がオリジナルスマートフォン開発から完全に撤退するのかどうかは明らかにしていないが、The Vergeが入手したというWindows & Devices担当上級副社長のテリー・マイヤーソン氏による従業員向けメモには「規模縮小はするが、撤退はしない!」とある。同氏はこのメモで「われわれは常に顧客に配慮している。Windowsスマートフォン(の顧客)も例外ではない。現行LumiaとOEMパートナーの端末のアップデートとサポートを継続するし、素晴らしい新端末を開発する」とも約束している。

 マイヤーソン氏の言葉から推測すると、Lumiaシリーズは終了するが、オリジナル端末の可能性はまだありそうだ。同社は現在タブレットで展開している「Surface」ブランドのスマートフォンを開発しているとうわさされている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ