Windows 10を導入しない企業は成長しない?Weekly Memo(2/2 ページ)

» 2016年08月22日 12時00分 公開
[松岡功ITmedia]
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Windows 10の普及状況が戦略的IT活用のバロメーターに

 とはいえ、企業にとってはさまざまな観点から導入検証が必要であり、掛かる予算も確保しなければならない。既存のPCがWindows 10の動作条件をクリアしていなければ、ハードウェアも入れ替える必要があり、当然費用はかさむことになる。

 米調査会社のNet ApplicationsがWebトラフィックを集計してまとめた「NetMarketShare」リポートによると、2016年7月時点におけるPCのOSシェアは、図2のようにWindows 7が47.01%を占め、Windows 10はそれに続く21.13%となった。つまり、Windows 10の普及率は2割強というのが現段階だ。さらに、この数字は企業向けも個人向けも合わせたものなので、企業向けだけだと、まだ一桁台の普及率ではないかと推察される。

Photo 図2 2016年7月時点におけるPCのOSシェア(出典:米Net Applicationsによる「NetMarketShare」リポート)

 そうした状況で、果たしてWindowsの旧バージョンからの移行は今後スムーズに進むのか。振り返ってみると、現在およそ半数のシェアを占めるWindows 7も、企業での導入が本格化したのは1年以上経過してからだった。マイクロソフトはそうした前例を踏まえて、「Windows 7のときを上回るスピードで普及させていきたい」(三上氏)と考えている。だからこそ、2016年が“元年”と位置付けているのである。

 もう1つ、興味深い調査結果を紹介しておこう。IDC Japanが先頃発表した2016年から2020年までの国内IT市場規模の予測によると、2016年は前年比0.2%増の14兆7973億円となり、その後の年間平均成長率は0.8%増で推移し、2020年には15兆4007億円になるとしている。

 図3がその前年比成長率の推移を示したグラフだが、IDCでは2020年の成長率がほぼ横ばいになると予測している。2020年といえば、東京オリンピックが開催されることから景気が上向く期待が持たれているにもかかわらず、である。IDCではその理由を「2020年1月にWindows 7がサポート終了となるため、2019年に更新需要増が予測されているPC市場が、その反動で大幅なマイナス成長となるため」としている。

Photo 図3 2015年〜2020年の国内IT市場規模の成長率の推移(出典:IDC Japan)

 このIDCの市場予測からすると、企業におけるWindows 7からWindows 10への移行のピークは2019年になる可能性がある。

 こうした状況に対し、IDCは「PC市場は米国でも縮小傾向にあるが、同国ではモビリティ、クラウド、ビッグデータ、ソーシャル技術などからなる“第3のプラットフォーム”市場関連への投資増により、ソフトウェア市場などでそれを上回る成長が予測されている。一方、日本では現状のIT戦略が続くと、オリンピック開催という景気の上昇時期においても、PC市場のマイナス成長を上回る第3のプラットフォーム関連の戦略的IT投資増が期待できない状況にある」と警鐘を鳴らしている。

 その意味では、Windows 10は第3のプラットフォームを推進する技術の1つでもある。さらに筆者が先に挙げたセキュリティ対応は、言うまでもなく第3のプラットフォームの基盤となるものである。そう考えると、とりわけ日本企業におけるWindows 10の普及状況は、戦略的IT活用のバロメーターになるともいえそうだ。

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