コレ1枚で分かる「人工知能の適用領域」即席!3分で分かるITトレンド

人工知能が適用されうる領域を、「人間の関与を前提とした」領域と「人間の関与を前提としない」領域に大別して、それぞれの特徴を整理しておきましょう。

» 2016年11月07日 08時00分 公開

この連載は

 カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。


 人工知能は、人間の関与を前提とした「人間の知的作業を支援」あるいは「人間の知的能力を拡張」といった適用領域と、人間の関与を前提としない「知的作業の自律化」の2つの方向に広がっています。

 例えば、人間の関与が前提となる適用領域としては、要求に従って大量の情報を整理し、そこから必要な情報を探し出す「情報整理・提供」があります。既に、質問応答や判例の検索などで利用が始まっています。

 また、日常使う言葉で機器を制御・操作したり、サービスを利用したりといったことを実現する「対話的操作」もこの領域に位置付けられるでしょう。AppleのSiriやMicrosoftのCortana、AmazonのEchoなどのスマートアシスタントや、人とのコミュニケーションを実現するサービスロボットなどがあります。

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 人間と人工知能が協力し合い、成果を上げようという領域として、「知識の発見」があります。データを解析し、そこに潜在する規則性やルールを発見しようというものです。故障の診断や予知、創薬用の新物質の発見などに使われます。

 人間の関与を前提とせず、機械の自律性を生かしていこうという領域では、データを解析し、最適な答えを機械自身に見つけ出させようという「推奨・判断」があります。IBMのWatsonが行っているがんの診断支援のように、膨大な論文を読み込み、さらに患者の診断所見や検査データを分析することで、がんを診断し、治療法を提案してくれるサービスや、自分の好みやライフスタイルを教えることで自分にふさわしい商品を紹介してくれるサービスなどに応用が広がっています。

 さらに、自ら状況を把握・学習し、自律的に判断して実行する「自律制御」があります。自動運転の自動車や株の自動取引、工場の自動操業や建設現場での自動工事などに適用分野は広がり始めています。

Photo 【図解】コレ1枚で分かる「人工知能の適用領域」

著者プロフィル:斎藤昌義

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 日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら


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