Googleからスピンアウトした自動運転技術企業Waymoが、自動運転中の人間による自動運転解除の1000マイル当たりの平均回数が2016年には2015年の4分の1に減り、安全性が高まったと発表した。
米Googleからスピンアウトした米Alphabet傘下の自動運転技術企業Waymoは2月1日(現地時間)、同社の公道での自動運転車走行テストの結果、2016年は前年より大きく安全性が高まったと発表した。
同社で自動運転技術担当責任者を務めるドミトリ・ドルゴフ氏が、同日カリフォルニア州車両管理当局が公開したWaymoの「Disengagement Report」に基いて自身のMediumで説明した。
disengagementとは、自動運転中にドライバーが自動運転を解除すること。ドライバーは、自動運転では危険を回避できないと判断した場合などに自動運転を解除し、マニュアル運転に切り替える。
2016年の解除率(1000マイル当たりの平均解除回数。1000マイルは約1609キロ)は0.2件で、2015年の0.8件の4分の1に減少した。
2016年の公道での自動運転による走行距離は2015年より50%増加(63万5868マイル)しているが、総解除件数は2015年の341件から124件に減少した。公開文書によると、2016年の解除のほとんどは、事故回避のためではなく、ソフトウェアの不具合修正のためや人間が望まない操作(ドアが開かないほど隣の車の近くに駐車するなど)を停止するためだったという。
Waymoではすべての自動運転解除のデータを分析し、シミュレーションを繰り返して改善に努めているという。例えば道路工事中の路上の走行や渋滞時の車線変更などの複雑な操作についても車を“教育”している。その結果、「逆走する車や道路を横切る馬の群れ」に対処できるようになったとドルゴフ氏は説明する。
「8年間の開発とテストを経て、われわれは完全自動運転技術を提供できる日が近いと考えている」(ドルゴフ氏)
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