Medium、月額5ドルの広告なしプラン始動 「崩壊したメディアを修復する」とウィリアムズCEO

広告ベースのオンラインコンテンツは読者への価値ではなくいかにクリックを稼ぐかを目指すようになっており、メディアは崩壊したと嘆くMediumのエヴァン・ウィリアムズCEOが、広告なしの有料プランを立ち上げた。収入はすべて貢献するライターとパブリッシャーに還元するとしている。

» 2017年03月23日 09時56分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Mediumのエヴァン・ウィリアムズCEOは3月22日(現地時間)、これまで無料でのみ提供してきたMediumのサービスに、広告を表示しない月額5ドルの会員制プランを追加したと発表した。まず一部の会員を立ち上げメンバーとして招待しており、申し込んだ会員から段階的に提供範囲を拡大していく計画という。

 medium 1

 ウィリアムズ氏は1月、従業員の3分の1のリストラを発表した際、広告掲載によるビジネスモデルから「われわれのミッションをより直接的に推進できるようなビジネスモデル」に変更すると予告した。この有料プランはその解の1つのようだ。

 有料プランでは、広告が表示されない他、無料では読めない人気ライターのストーリー(記事)を読めたり、新機能を優先的に使えたり、オフラインでもストーリーを読めたりする。

 medium 2 会員以外は読めないストーリー

 ウィリアムズ氏はかねてより、多くのオンラインコンテンツが読者ではなく広告やクリック数に左右されるようになっていると警鐘を鳴らしている。今回のストーリーでも「メディアは崩壊した。われわれは修復しなければならない」と語る。

 少なくとも会員制立ち上げ段階では、会費からの収入の100%を重要なライターとパブリッシャーに還元する。これは「単に注目を集め(てクリックを稼ぐ)る能力ではなく、読者にとって価値に基いてストーリーやアイデアに資金を提供する」システムになるという。

 同社は同日、ライター向けの「Medium Partner Program」も立ち上げた。詳細は不明だが、パートナーに選ばれたライターはストーリーに対して何らかの形で報酬を得られるようだ。申込みフォーマットには過去の自分の作品例のリンクを入れるようになっている。

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