米司法省が、AT&Tが昨年10月に発表したTime Warnerの買収を阻止する目的で独禁法訴訟を起こした。AT&Tは「裁判所は合併を許可するはず」としている。
米司法省は11月20日(現地時間)、衛星放送のDirecTVを傘下に持つ米AT&Tによる米Time Warnerの買収を阻止するための民事上の独占禁止法訴訟を起こしたと発表した。1080億ドルに上るこの買収は、健全な競争を大きく阻害し、イノベーションの減退と(テレビの視聴料の)価格高騰をもたらす危険性があるとしている。
AT&Tは昨年10月、Time Warnerを854億ドル(約8兆8600億円)で買収することで合意に達したと発表した。Time Warnerは、Warner Brothers、HBO、CNN、Cartoon Networkなどを擁する総合メディア企業。AT&Tは、モバイルでの動画視聴増加を受け、コンテンツ企業買収を目指した。
AT&Tは司法省の発表を受けて同日、「われわれは裁判所が司法省の主張を拒絶し、長年の法的判例の下でこの合併を許可すると確信している」と発表した。
同社の法務顧問、デビッド・マカティー上級副社長は発表文で、米政府は近年、(配信企業とコンテンツ企業の)垂直的統合を承認してきた。こうした統合は市場の競争を阻害せずに消費者にメリットをもたらすとみなしているからだ。われわれの合併だけが異なる扱いを受ける正当な理由は見当たらない」としている。
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