Facebook、外部サイト履歴をアカウントから消す「Clear History」

Facebookが、個人情報流出で批判が高まる中、プライバシー対策の1つとしてFacebook外でのユーザー行動履歴収集を無効にし、過去のデータをアカウントから削除する「Clear History」機能を発表した。

» 2018年05月02日 07時40分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Facebookは5月1日(現地時間)、年次開発者会議「F8」で新たなプライバシー対策「Clear History」を発表した。個人情報流出スキャンダル後の公聴会でも質問が多かったFacebookの外でのユーザーの行動履歴まで収集してターゲティング広告に利用する機能を、ユーザー側で無効にできるようになる。

 clear 1 「Clear History」を発表するマーク・ザッカーバーグCEO

 同社は2015年から「いいね!」ボタンを設置している外部のWebサイトやFacebookアプリでのユーザーの履歴情報を収集している。こうしたデータは、例えばオンラインショップでTシャツの購入を検討したユーザーのFacebookのニュースフィード上にTシャツの広告を表示することに利用されている。

 Clear Historyには過去にどのようなWebやアプリでデータが集められたかが表示され、それらのデータを自分のアカウント情報から削除するかどうかを選択できる。また、Facebook外部の履歴(Off-Facebook History)を収集しないよう設定することも可能だ。

 clear 2 Off-Facebook Historyの収集を無効にすることも可能

 履歴は完全に削除されるわけではなく、匿名化されて引き続き広告に生かされる。例えばアプリ開発者に対し、そのアプリのユーザー層(男女比や年齢層など)の情報を提供するために匿名化情報を利用する。

 ザッカーバーグ氏はこうした情報は広告表示だけではなく、Facebookでのユーザー体験向上に利用されているので情報収集を無効にするとFacebook体験が以前より悪くなると説明した。

 Clear Historyの提供開始は数カ月後になる見込み。

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