WSUS自体はWindows 7から運用している方も多いと思います。では、そのWSUSはどんな目的で導入したのでしょうか。
WSUSの目的はWindows Updateの適用時期を制御することにありました。Feature Updateほどの影響はないにせよ、Windows 7でも「KB」と呼ばれるパッチを適用することで不具合が発生することがありました。そこで、一部ユーザーのPCに先行してKBを適用し、パイロットテストをしている企業も少なくありません。
短周期でアップデートを繰り返すWindows 10のFeature Updateでは、パイロットテストの運用は必須でしょう。ネットワークの負荷の分散に加えて、パイロットテストを含めた順番の制御を掛け合わせてスケジュールを設計する必要があるのです。
この運用において、アップデータの配信と適用の順番は厳密に制御する必要があります。しかし、ここまでお話ししてきたように、WSUS、特にBranchCacheやDOSvcの運用は、事前に設計できるものではありません。厳密な制御を求めるのであれば、無償のWSUSでは限界があり、ある一定以上の規模でトライ&エラーが難しい企業ならば、有償の「SCCM」に入っているWSUSを利用する必要があると考えます。SCCMならばこうした厳密な定義と制御、そして可視化が可能になります。
とはいえ、SCCMはその導入コストもさることながら、技術的に難しい面もあります。弊社の「Flex Work Place Unifier Cast」をはじめとして、Microsoft以外にも、低コストで同様の機能を使えるソリューションもありますので、そちらを検討するのも一つの手でしょう。
さて次回は、アップデータの配信と動作テストをうまく回していくコツについてお話しします。動作テストは、いつの時代もIT管理者にとって大きな負担です。Windows 10では、その負荷がこれまでよりも大きくなる面があるのも事実。半年サイクルのスピードにどう付いていけばいいかを解説できればと思います。お楽しみに。
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