日本のNo.1クラウドベンダーになる――2020年を見据えた日本マイクロソフトのクラウド戦略とはMicrosoft Focus(1/3 ページ)

日本マイクロソフトの平野拓也社長は、2019年度の経営方針説明会で、クラウド事業で2020年に国内首位を目指すと宣言。インダストリー、ワークスタイル、ライフスタイルの3分野をイノベーションの注力チャネルに据えた新たなクラウド戦略とは。

» 2018年08月11日 07時00分 公開
[大河原克行ITmedia]

 日本マイクロソフトの平野拓也社長は、「2020年には、日本のナンバーワンクラウドベンダーを目指す」と宣言。8月6日に開催された2019年度(2018年7月〜2019年6月)の経営方針説明会で、そのクラウド戦略の方向性を示した。

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 国内のパブリッククラウド市場で、日本マイクロソフトはこの3年間で着実にシェアを拡大。平野氏が社長に就任した2015年には、「国内では、4位か、5位だった」(平野社長)が、2018年には2位にまで浮上した。「1位との差はまだ開いているが、AWSの2倍以上の成長を遂げており、射程圏内に入ってきた」と、トップシェア奪取に自信をみせた。

 2017年8月の方針説明では、目指すターゲットに「リーディングベンダー」という表現を用いていたが、2018年はそれを「ナンバーワン」という言葉を置き換えた。それも、平野社長の自信の表れだといっていいだろう。

Photo 日本マイクロソフト 代表取締役社長の平野拓也氏

2020年に向け「3つのイノベーション」に注力

 2020年に向けて、日本マイクロソフトでは、「インダストリーイノベーション」「ワークスタイルイノベーション」「ライフスタイルイノベーション」の3つのイノベーションに力を注ぐ方針を打ち出す。

 これらの分野に向けた人員を拡大するとともに、新たなクラウドサービスの提供などにも乗り出し、クラウド事業の拡大を図る計画だ。

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 例えば、「インダストリーイノベーション」では、製造、流通、ヘルスケア、政府・自治体、自動車、金融、メディア&コミュニケーション、教育を重点業種に定め、業種別営業組織を設置。これらの業種向けソリューションを推進するための人材の採用も加速している。また、業種向けソリューションを持つパートナーとのマッチングの強化にも力を注ぐという。

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 「労働人口の減少に対応するためにも、クラウドとAIによるデジタルトランスフォーメーション(DX)は企業にとって重要な取り組みになる」と平野社長は語り、「2017年度のDXへの経験を生かし、それを評価する役割を担う組織を設置するとともに、DXを支援するデジタルアドバイザーの人材を2倍に増やす」とした。

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