なぜ、Microsoftはパートナーカンファレンスと社員総会を1つのイベントのようにして開催したのだろうか――。その理由は、Microsoftが「顧客」にフォーカスしたビジネスに変革してきた結果といえそうだ。
Microsoftは、顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援することを事業の軸においている。それは、パートナーにとっても共通の課題だ。そして、顧客のDX支援は、Microsoftとパートナーが一体になって推進する必要がある。
オンプレミス時代には、製品を「つくる」Microsoftと、それを「売る」パートナー、「使う」顧客――という関係にあったが、クラウド時代のDXの支援では、作る立場と売る立場が一緒になって顧客にフォーカスした提案を行うだけでなく、場合によっては、使う立場のユーザーさえも巻き込む必要がある。
そうしたMicrosoftとパートナーの関係の変化が、社員総会とパートナーカンファレンスを一体化したイベントとして開催したことにつながっている。
当然、イベントの内容にも変化が見られた。これまでのように「いかに売ってもらうか」にフォーカスしたものではなく、「顧客の課題を解決するために、一緒に何ができるか」といった点にフォーカスした内容になっていたからだ。
Microsoftでは、「モダンワークプレース」「ビジネスアプリケーション」「アプリケーション&インフラストラクチャー」「データ&AI」「モダンライフ」「ゲーミング」の6つのドメインでソリューションを提供していく方針を打ち出している。ナデラCEOの基調講演の後に行われた講演では、ゲーミングを除く5つのソリューションの展開について、各ソリューションの責任者となるコーポレートバイスプレジデントが説明。ここでも、Microsoft自身のサービスに加えて、パートナー自らが持つソリューションを連携させて、顧客に提案、提供していくことが重要であると強調した。
Microsoftの社員と、Microsoftのパートナーが、「最新技術や製品、サービスの関する情報を共有するだけでなく、戦略そのものを共有すること」が、今回のイベントの狙いであり、それを前提とした今回の取り組みは、新しい時代に向けたイベントの姿といえるかもしれない。
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