IBMが“世界初の商用統合量子コンピュータ”と謳う「IBM Q System One」を発表した。
米IBMは1月8日(現地時間)、“世界初の商用統合ユニバーサル近似量子計算システム”と謳う量子コンピュータ「IBM Q System One」を発表した。
量子ビットは振動や温度変化、電磁波の影響を受けやすいため、IBM Q System Oneは縦横が約2.7メートル(奥行きは記載されていない)の厚さ約1.3センチホウケイ酸ガラス製ケースで密閉されている。フレームはアルミとスチール製で、システムのクライオスタット、制御電子機器、ケースを一体化しており、振動干渉回避を可能にしているという。
同社はこの量子コンピュータのレプリカをCESのブースで展示している。
同社は2017年には20qubit(量子ビット)の顧客向けオンラインサービス「IBM Q Network」を実現している。無料で一般に公開されているIBM Q Experienceでは、現在670万件を超える実験が行われているという。
Q System Oneはまだハードウェアとして販売するわけではなく、ネットワーク経由で利用できるのみのようだ。IBMはIBM Q Networkの顧客に、ExxonMobilとCERNが加わったことも発表した。
また、年内にニューヨークのポキプシーにIBM Q Quantum Computation Centerを開設することも発表した。このセンターは、IBM Q Network利用企業がアクセスできる量子コンピュータシステムを備える。
Google、72量子ビットの量子プロセッサ「Bristlecone」で量子超越性を目指す
Intel、49量子ビットの量子コンピュータ用チップ「Tangle Lake」の開発に成功
IBM、50qubitの量子コンピュータを実現 クラウドサービスは17→20qubitに
Microsoft、量子コンピュータ向けプログラミング言語を年内プレビュー公開へCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.