大手とは“共創”の、中堅・中小とは“IT活用”のパートナーに キヤノンMJグループ、組織刷新の効果はWeekly Memo(1/2 ページ)

キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)グループがIT事業を強化した。複写機やカメラ、プリンタなど多彩な事業を手掛ける同グループが推進するIT事業は、ユーザーから見てどこが魅力なのか。この機会に探ってみたい。

» 2019年02月25日 10時30分 公開
[松岡功ITmedia]

キヤノンMJグループにとってIT事業は重点戦略

 キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)と同社の子会社であるキヤノンITソリューションズが先頃、IT事業を強化するため、新たなデータセンターを設けることを発表した。

 発表会見では、キヤノンMJの取締役常務執行役員エンタープライズビジネスユニット長でキヤノンITソリューションズ代表取締役社長を務める足立正親氏と、キヤノンITソリューションズ取締役常務執行役員ITインフラサービス事業統括担当の笹部幸博氏が説明に立った。

Photo キヤノンMJの取締役常務執行役員エンタープライズビジネスユニット長でキヤノンITソリューションズ代表取締役社長を務める足立正親氏(右)と、キヤノンITソリューションズ取締役常務執行役員ITインフラサービス事業統括担当の笹部幸博氏

 キヤノンの国内販売子会社であるキヤノンMJは、複写機やカメラ、プリンタなど多彩な事業を手掛けている。IT事業についてもキヤノンITソリューションズを1982年に設立した頃から着実に実績を重ねてきた。とはいえ、大手のITベンダーとは異業種と位置付けられることから、当初はかなり苦労が多かったと取材を通じて記憶している。

 そこで、新データセンターの内容については発表資料をご覧いただくとして、ここでは足立氏と笹部氏が会見で説明したキヤノンMJグループのIT事業の最新事情と、ユーザーから見てどこに魅力があるのか、を探ってみたい。

 まず、図1がキヤノンMJグループの全体像である。この図のポイントは、長年に渡って製品別だった事業ユニットを、2018年から顧客別にして「顧客視点の組織に改めた」(足立氏)ことである。

Photo 図1 キヤノンMJグループの全体像(出典:キヤノンMJグループの資料)

 キヤノンMJグループにとってのIT事業は、2019年から始まった中期経営計画でも「ITソリューションを中心とした市場拡大領域における利益ある成長の実現」と、重点戦略の1つに掲げられている。

 同グループのITソリューション事業の売上高は、2018年度(2018年12月期)で前年度比8.6%増の1977億円と、ほぼ2000億円規模になった。足立氏によると、今後この売上高を2021年度には2300億円とし、同グループの売上高構成比で35%へ引き上げたい考え。さらに、次期長期経営構想(2021〜2025年度)期間中には3000億円を達成したいと明言した。

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