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» 2019年05月14日 08時00分 公開

半径300メートルのIT:「私たちは、なぜITを使うの?」と聞かれたら、答えられますか? (3/3)

[宮田健,ITmedia]
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下地にあったのは……コカコーラ?

photo コカコーラのアプリ「Coke On」

 実は、Apple Watch Series 1を購入した当時の私は、アプリや通知機能などの利便性だけを考えていて、“健康”という側面には全く注目していなかったのです。これはITガジェット以外についてもいえる話だと思いますが、「その道具を便利に使えるかどうかは、ユーザーの意識次第」ということですね。

photo 「Coke On」スタンプシート

 今回、Apple Watchをもう一度使ってみようと思ったきっかけの一つは、日本コカ・コーラが提供するアプリ「Coke On」でした。

 Coke Onは、コカ・コーラ社の自動販売機で使えるスタンプアプリではあるものの、「1週間に目標歩数を歩くと、スタンプが1つもらえる」という制度を用意しています。

 例えば、最低1日5000歩、1週間で3万5000歩を達成すればスタンプを1つもらえ、それが15個たまると、ドリンクを無料でもらえます。他にもキャンペーンでスタンプをもらえたり、累計歩数に応じたプレゼントもあるので、意外とすぐにドリンクチケットをもらえたりします。

 私はこのアプリをずいぶんと前から散歩の友として使っており、可視化ツールとして活用していました。こちらの方がより直接的な報酬がある上に、スマートフォンのセンサーを使った歩数計なので、わざわざウェアラブルデバイスを購入しなくても使えます。このアプリを使い続けて歩くことが楽しくなったので、もう一歩進めてみようかと思ったことが、Apple Watchを新調する大きなきっかけになりました。


photo 「Coke On」では、一日の歩数やスタンプを獲得するまでの過程を見られる

 ITが私たちにもたらす変化はさまざまですが、その目指すところは意外とシンプルかもしれません。

 例えば、先日とあるセミナーで、大阪のある企業がメールシステムを一新した事例を紹介した際、会場から「“個人的なメリット”はあったのか」という質問が出ました。

 すると、その企業でメールシステムを担当した部長さんが「いやあ、システムが安定してくれたので、部下の土日夜間対応がなくなって健康診断の結果が良くなったんですよ」とにこやかに話していたのです。私にとって、その光景はとても印象的でした。

 人工知能や量子コンピュータなど、最近のITの話題では、もっぱら最先端で開発が進む技術や複雑な機能などが取り上げられがちです。また、私たちの注目も、どちらかといえば、日常生活のITよりは、そうした話題に引き付けられがちではないでしょうか。

 しかし一方で、ITが本来私たちにもたらすべき恩恵は、その部長さんが取り上げたような、社員の健康や日常生活の便利さと言った「良い変化」にあるのではないでしょうか。ITの力、そして皆さん自身のちょっとした意識変化で、生活をより良い方向に変えていければいいですね。

著者紹介:宮田健(みやた・たけし)

『Q&Aで考えるセキュリティ入門「木曜日のフルット」と学ぼう!〈漫画キャラで学ぶ大人のビジネス教養シリーズ〉』

元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。

2019年2月1日に2冊目の本『Q&Aで考えるセキュリティ入門 「木曜日のフルット」と学ぼう!〈漫画キャラで学ぶ大人のビジネス教養シリーズ〉』(エムディエヌコーポレーション)が発売。スマートフォンやPCにある大切なデータや個人情報を、インターネット上の「悪意ある攻撃」などから守るための基本知識をQ&Aのクイズ形式で楽しく学べる。


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