「大阪進出」でAWSやMSに勝てるか? Google CloudのCEOに戦略を聞いた2019年4月リリースの新サービス「Anthos」とも連携(1/2 ページ)

Google Cloudは2019年5月14日、国内で東京に続く拠点となる「大阪 GCP リージョン」の運用を開始した。国内で激化するクラウド市場にどう切り込むのか。本社から来日したCEOに、今後の戦略を聞いた。

» 2019年05月15日 08時00分 公開
[高木理紗ITmedia]

 Google Cloudは2019年5月14日、同社のクラウドサービス「Google Cloud Platoform(GCP)」の新たな国内拠点として「大阪 GCP リージョン(以下、大阪リージョン)」の運用を開始したと発表した。同社によれば、既にアサヒグループホールディングスや京セラコミュニケーションシステムなどの企業が利用を開始したという。

photo Google CloudのWebサイトで公開されている地図には、既に大阪リージョンが加わっている

新サービス「Anthos」と連携し、国内のクラウドリソースを倍増へ

photo 記者会見に登壇した、Google Cloudの阿部伸一 日本代表

 大阪リージョンは、国内では東京リージョンに続く2つ目の拠点で、アジア太平洋地域では7カ所目、全世界では20カ所目の拠点になる。その規模やサービス内容は、2016年11月から稼働する東京リージョンと同等だ。3つのゾーンを持ち、「Compute Engine」「App Engine」「Google Kubernetes Engine」「Cloud Bigtable」「Cloud Spanner」「BigQuery」などのサービスを提供する。

 Google Cloudの日本代表を務める阿部伸一氏は、2019年5月14日に行われた記者会見に登壇し、「もともと西日本の複数の顧客から『東京と同等の拠点を西日本にも作ってほしい』という要望は頂いていた。大阪リージョンによって、より強固なディザスタリカバリー体制を実現し、各ユーザー企業のニーズに寄り添ったサービスを展開したい」と語った。必要に応じてユーザー企業向けのサポートやトレーニングを提供する他、ユーザーの求めに応じて公衆網や閉域網を含めた複数の接続方法を提供するという。

photo 既に複数の国内企業が、Google Cloudの大阪リージョンを活用しているという

 また、同リージョンのサービスは、Google Cloudが2019年4月に発表したハイブリッドクラウドおよびマルチクラウド向けプラットフォーム「Anthos」とも連携可能だ。Anthosは、Kubernetesのようなコンテナ技術を活用し、ユーザーのアプリケーションをオンプレミスとクラウドのどちらでも構築、管理可能にする。ユーザーにとっては利用環境の選択肢を広げる他、さまざまな環境で運用するアプリケーションを一括管理できるメリットがあるという。

 とはいえ日本国内では、ここ数年で企業向けクラウドベンダーの競争が激化した。国内シェアでは「Amazon Web Services(AWS)」や日本マイクロソフトの「Azure」に後れを取っているともいえるGoogle Cloudは、これからどう日本で企業向けサービスを展開するのか。

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