同氏はまた、「Dell Technologies Cloud」および2019年後半に提供を開始するという「VMware Cloud on Dell EMC」によって、データセンターがマルチクラウド時代の“司令塔”となり、オンプレミスとのシームレスな連携や、異なるクラウドプロバイダーのサービスの併用を可能にするポータビリティを実現するとした。
「Dell Technologiesでは、サーバ製品を“岩盤(Bedrock)”と表現している。これは、Dell Technologiesが提供するさまざまなソリューションの岩盤としての役割をサーバが果たすということだ」(瀧谷氏)
一方、同セミナーでは、Dell Technologiesが最近新たに注力しはじめた技術も紹介した。その1例が、AIや機械学習などで利用するアクセラレーテッド・コンピューティングだ。
例えば、2019年度の第2四半期にも発売を予定している機械学習専用サーバ「Dell EMC DSS 8440」は、4Uラック筐体に、「NVIDIA Tesla V100 GPU」を最大10基、投資先である英国のGraphcoreが手掛けるIPU(Intelligence Processing Unit)「Graphcore C2 IPU」を最大8基搭載することで高性能化を実現。さらに、フロントパネルには12個のファンを採用するなど、圧倒的なサーマル性能を実現しているという。
こうした点について、瀧谷氏は、「深層学習の学習フェーズや広範囲な高負荷ワークロードに最適なサーバとして活用できる」と語る。
また、Dell Technologies Worldでは、多くのネットワーク製品も新たに発表し、ブランド名称を従来の「Dell EMC Networking」から「Dell EMC PowerSwitch」に変更。「VMware VeloCloud」をプリインストールしたSD-WAN専用オープンネットワーキングスイッチ「Dell EMC SD-WAN Edge Powered by VMware」は、エッジでの導入および展開スピードを大幅に向上できるという。
「Dell EMC テクニカルセミナー 宮崎キャンプ」では、参加者が会場のDell EMC 宮崎カスタマーセンター(MCC)を見学する機会があった。
デル宮崎カスタマーセンターは、2005年11月に、国内におけるサービス、サポートを強化するための戦略的拠点として開設。現在、約450人の同社正社員が、法人向けおよび個人向けPCのサポートや、サーバやストレージといったエンタープライズ製品、ソフトウェア製品のサポート業務を行っている。
今回、同セミナーに参加した企業からは、「AIに関する最新の情報が得られ、他社との取り組み状況を理解できた」「AIを活用した取り組みはこれからであり、情報収集の場としても有意義だった」などといった声が聞かれていた。参加者同士が積極的に情報交換をする姿も見られた。
なお、デルおよびEMCジャパンでは、今後も2カ月ごとをめどに、「Dell EMC テクニカルセミナー 宮崎キャンプ」を開催する予定だ。デルおよびEMCの製品導入を検討している企業や、既に製品を導入している企業などを対象に、最新技術動向や同社の取り組みなどを紹介するという。
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