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» 2019年08月13日 08時00分 公開

取締役がたった1人で挑んだRPAプロジェクト――大量の定型業務がなくても効果を出す秘策とは (1/2)

大規模な定型作業がない企業ではRPAの効果を出しにくい――この見解を覆し、業務を効率化するだけでなく、自社ビジネスを広げるまでに至った企業がある。取締役がたった1人で挑んだプロジェクトの裏では何が起きていたのか。

[吉村哲樹,オフィスティー・ワイ]

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 「RPA導入で○○時間分の作業を削減」という記事を多く目にするようになった。世間では金融機関や通信キャリアなどの大企業の事例が脚光を浴びている。しかし、読者の中には「大量の定型業務を大人数でこなしているか、昔ながらの業務フローを貫いているから、RPA導入で効果が出るのだろう」とどこか別世界のように感じることも少なくないのではないか。

 一方、約400人いる従業員の大半がクリエイティブな業務を担うミツエーリンクスは、ある型破りなRPA活用方法によって、業務の効率化を実現するとともに、同社のビジネスを広げるまでに至った。しかも、その導入プロジェクトは取締役がたった1人でRPAのオンライン研修を片手にはじめたものだという。「ちょっと考え方の角度を変えれば、さまざまな企業の課題解決にRPAが使えるのです」――舞台裏を探った。

RPA、大企業でなくとも導入メリットを引き出せる

 ミツエーリンクスは、Webサイトの企画や制作、Webを通じたブランディングやマーケティング、さらにはWebサイト上で利用される動画や音声コンテンツの制作などを手掛ける企業だ。同社の総務や人事、経理といったコーポレート部門の業務に関わる人数は限られており、規模の大きい定型業務も存在しないため、RPAの導入効果はさほど期待できないようにも思える。

ミツエーリンクス 山下徹治氏

 同社のRPA導入をけん引してきたのは、取締役 第四事業部長 デジタルトランスフォーメーション部 部長の山下徹治氏だ。もともと、コーポレート部門に所属し全社の業務プロセス改善に取り組んできた同氏が、RPAを知ったのは2017年のこと。ちょうど大手金融機関におけるRPAの導入事例が脚光を浴び始めた時期だった。当時の先行事例のほとんどは、コーポレート部門のルーティンワークにRPAを導入して作業の効率化を実現したものだった。しかし山下氏は、当初から少し異なる切り口でRPAの活用を模索していたという。

 「弊社のような規模の会社は、バックヤードの定型作業をRPAで自動化しても投資対効果はたかが知れています。そうではなく、主力事業のコンテンツ制作で発生する作業をRPAで効率化できないか――と考えました」(山下氏)

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