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» 2020年07月13日 11時00分 公開

NECが挑む「ITエンジニアからDXコンサルタントへのシフト」は奏功するか?Weekly Memo(2/2 ページ)

[松岡功,ITmedia]
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IT企業にとって悩ましいDXコンサルタントの育成

 NECのDX事業におけるこれらの強化ポイントの中で、筆者が注目したのは、1つ目のコンサルテーション体制の強化において、DX戦略や構想策定を支援する「上流」のコンサルティング人材を増強する取り組みだ。その理由は、図4を示しながら吉崎氏が語った次の内容にある。

Photo 図4 コンサルテーションのアプローチ(出典:NECの資料)

 「DXのような新たな取り組みを始める際は、図4に示すように、まず初期の仮説や検討を経て、その後実装、実践、アップデートと、プロセスが左から右にシフトしていく。戦略や構想の策定も一番左側の上流に位置付けられるが、当社でDXコンサルティング人材を増強する場合は、右から左へ、とりわけ実装から初期の仮説や検討へとシフトしていくアプローチが最も適切だ。なぜならば、当社には実装を経験したITエンジニアが多い。むしろそれを強みに戦略や構想を策定するノウハウを習得した方が、お客さまに信頼されるコンサルテーションが行えるのではないかと考えるからだ」(吉崎氏)

 こう話した上で、吉崎氏は「2019年よりITエンジニアからDXコンサルタントへのシフトを進めている。今のところ『かなりいけそうだ』という手応えを感じている。私の直轄のDXコンサルティング部隊は、内部の人材と外部から入ってきた経験者を合わせて現在100人超という陣容だ。できるだけ早く倍増させたいと思っている」と、現状と今後の計画について明らかにした。

 同氏によれば、前述の上流コンサルタントを含め、同社でDX事業を推進する人材は、現時点で3000人を超えている。同氏は「2022年度には5000人規模に拡大させたい」と話す。

 ITエンジニアからDXコンサルタントへのシフトは、非常に興味深い。なぜならば、SIerをはじめとする多くのIT企業が、この点について頭を悩ませているからだ。ITとDXの技術的な違いもさることながら、DXはすなわちデジタル技術を活用したビジネス変革だ。その過程では、ビジネスモデルの転換や新たなビジネスアイデアを実現する知力とフットワークの軽さが問われる。

 その意味では「今のところ『かなりいけそうだ』という手応えを感じている」という吉崎氏の発言を、他のIT企業はうらやましく聞いていることだろう。そして今後、NECが「できるDXコンサルタント」をどんどん輩出するようになれば、その育成方法が一躍注目を集めるようになるだろう。

 果たして、NECの挑戦は奏功するか。大いに注目していきたい。

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