企業のクラウド化が進む一方、要件によってはオンプレミス環境を残す企業もある。マルチクラウド化やハイブリッド化が進む中、消費者向けや業務向けのアプリケーションの複雑な状態を管理、監視する同社のソリューションとは。また、同社が訴える、新常態のIT管理に必要な変化とは。
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普段の生活や業務の中で、さまざまなアプリケーションが当たり前のように使われるようになった。新常態で、いつでも、どこからでも仕事ができる環境が求められる中、アプリケーションの普及が加速する可能性は高い。
ただし、業務で使うアプリケーションが多くなるほど、障害が発生した際に業務が止まってしまうリスクは大きくなる。障害発生時に、担当者がリモート環境からでも即座に原因を突き止めて対処し、素早く回復できる仕組みは不可欠だ。そんな環境をどうやって作るのか。
米国で国防総省や国務省、NASAといった政府機関や企業向けのIT管理製品やセキュリティ製品を手掛けるSolarWindsは2020年9月2日、同社の技術部門を率いるサシャ・ギース氏(Head Geek)と、同社の日本法人であるソーラーウインズ・ジャパンの河村浩明氏(カントリーマネジャー)を迎え、日本向けのオンライン会見を開催した。
「今後、企業システムのクラウド化が進む一方、オンプレミスの需要も残ると確信している」と語る同社が、それらの環境を一括で管理するために提供するソリューションとはどのようなものか。また、新常態に起こるIT管理の変化を、彼らはどう見ているのか。
SolarWindsはもともと、米国の小売り大手であるWalmartのIT管理担当者が立ち上げた。
「サービスが遅くなるたびにネットワーク担当者が根拠もなく責められる現状を変えようと、ネットワークの状態を可視化、監視する製品を提供したのが始まりだ。現場で苦労しているIT担当者を助けたいという哲学は変わっていない」と、河村氏は語る。
SolarWindsは現在、ネットワーク管理やインフラ管理をはじめ、データベースおよびアプリケーションの稼働管理、ITサービス管理、セキュリティをカバーする製品を手掛ける。これらの製品は単一のダプラットフォーム「Orion」で稼働するため「顧客が多様な環境を統合的に監視できる環境を、ワンストップで提供できる」と、河村氏は語る。
「アプリケーションやネットワークなどの管理について、これまで多くの企業が別々のモジュールを用途別に導入してきた。(統合的な環境を提供することで)日本企業のIT導入や活用、テレワーク普及を加速させたい」(河村氏)
同社のフラッグシップ製品の一つが、ネットワーク監視ツール「SolarWinds Network Performance Monitor」(NPM)だ。ネットワーク機器やサーバ、アクセスポイントなどを検出し、ダッシュボードにマッピングする。ネットワークのパフォーマンスを監視、分析し、問題が発生した場合は原因になっている箇所を迅速に特定する。
また、構成管理ツール「SolarWinds Network Configuration Manager」(NCM)は、ネットワークの設定変更を自動で追跡、管理し、コンプライアンス監査などを自動化する。
「ネットワーク管理をほぼ自動化するため、NPMとNCMを併用する顧客が多い」と、ギース氏は話す。
一方、ギース氏が特に強調したのが、アプリケーションを取り巻く複雑な環境を管理し、問題が発生した際に迅速に対応するニーズだ。
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