「脱サイロ、ESG経営対応のカギを握るのはCFO」も自己認識が付いていかない現状が明らかに

CxOを対象とした調査で「CFOと他のCxOもっとうまくやれたはず」と回答したにもかかわらず、CFOの大半が新たな経営課題への取り組みの優先度を低めに見積もる傾向が明らかになった。CFOがその気になれば包括的でダイナミックな取り組みも不可能ではないというが、実態はどうなっているだろうか。

» 2022年08月16日 16時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

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 Anaplan Japan(以下、Anaplan)は2022年8月15日、CFO(最高財務責任者)に関する調査レポート「企業の経営改革:これからのCFOに求められる役割とは」を発表した。

 この調査レポートは、CFOの役割の進化とそれに伴う企業内部の葛藤と可能性を探るため、米Anaplanが米Deloitteと共同で実施したものだ。米国、英国、オーストラリア、フランス、ドイツ、日本、シンガポールのCFOとその他ビジネスリーダーを対象にオンラインで調査した(調査期間:2022年3月1〜11日)。回答者の内訳はCFO178人、シニア/VPレベル以上のその他役員532人だった。

 それによると、近年、CFOの役割が財務にとどまらず、広く企業の成長推進に関わる存在になりつつあることが明らかになった。一方でCFO自身がそのポテンシャルを過小評価しており、IT技術を生かした経営課題解決において自身の能力を低く見積もっていることが分かった。また、サイロ化したプロセスや情報の連携においてもCFOが担う役割は大きく、他のCxOは「もっとうまくやれる」と期待していることも分かった。

変化に対応するための情報が「サイロ」 財務と他部門はもっと連携できる

 今日のビジネス環境において、リーダーは刻々と変化する状況に応じて計画を迅速に調整する能力が求められている。しかし実際は、戦略的な意思決定(プランニング)はサイロ化され、高度にマニュアル化されたプロセスになっているケースが多い。

 今回の調査でもそのことが露わになる結果が出た。CFOの82%とその他役員の86%が「ハイブリッドワークへの移行やサプライチェーンの変動といった直近のビジネス課題は、より強力なコミュニケーションができれば改善できたはずだ」と考えていた。また、その他役員の78%が「CFOと各ビジネスユニットとの関係には改善の余地がある」と回答した。中でも「人々のダイナミクス」「テクノロジー」「プロセス」の改善が必要とする意見が多数を占めた。

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