多くの企業が自社のシステムをオンプレミスからクラウドに移行している。企業は、クラウド移行後に自分たちだけでやっていかなくてはならなくなる「Day 2」を見据え、ワークロード移行後に発生する課題に備えなければならない。
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クラウドへの移行は簡単なことではない。革新と最適化を成功させるためには綿密な計画やリソース、(従業員の)協力が必要だ。
企業がどれだけ事前に計画を立てても、常に曲折は起こり得る。
クラウド移行を支援するNext Pathwayのクララ・アンゴッティ氏(共同設立者 兼 社長)は、「どのクラウドプロバイダーも移行プロセスではできるだけ手間をかけずシームレスに移行させようとする。ただし、『Day 2』(導入後の運用フェーズ)は(ユーザー企業が)自分たちだけで実施しなくてはならなくなる」と述べる。
Amazonのジェフ・ベゾス氏は永遠のスタートアップ企業のように、(内向きの効率化や改善が最大の関心事となる)「Day 2」(の思考)に陥ることを懸念し、(常にサービス立ち上げに向けて最適な実装を模索する)「Day 1」のマインドを重視する。
しかし、現実はそうではない。企業は移行後に何が起こるかを考え、ワークロード移行後に生じる課題に備えなければならない。
「CIO Dive」は、ITリーダーが問題解決に時間をかけることなく、イノベーションに多くの時間を割けるようにするために、5人の専門家にクラウド移行後の課題を解決する方法を聞いた。
クラウド移行後に初めて届く請求書は、クラウドのコスト削減効果を宣伝された企業にとって衝撃的なものとなる。
Next Pathwayのチェタン・マトゥール(Chetan Mathur)氏(共同設立者兼CEO)は「移行初日や移行初月に『こんなにコストがかかるとは思わなかった』と言われるケースを数多く見てきた」と話す。
企業はクラウドを利用することでコストを削減できる。ただし、それは(従来とは)異なるタイプの運用モデルとなる。レガシーテクノロジーが「資本支出モデル」(CapEx)であるのに対し、クラウドテクノロジーは「運用支出モデル」(OpEx)(注)となる。
企業向けソフトウェアを手掛けるCloudBeesのショーン・アーメッド氏(最高マーケティング責任者)は、「価格予測や利用率予測は、これまでとは全く異なる方法で検討する必要がある。より大きな問題となるのは、移行後のコスト構造をどのように予測するかだ」と話す。
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