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» 2022年11月14日 12時45分 公開

富士通、NEC、NTTデータの最新受注状況から探る 今後のIT市場はどう動くかWeekly Memo(1/2 ページ)

今後、世界経済の急減速とともに国内景気も後退するのではないかとの見方がある中で、IT市場はどう動くか。富士通、NEC、NTTデータのITサービス大手3社の最新受注状況から探る。

[松岡功ITmedia]

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 世界経済の急減速が眼前に迫っており、その影響で国内景気の後退も避けられないのではないか――。こんなマクロ経済の見通しがまことしやかに叫ばれるようになってきた中で、今後のIT市場はどう動くのか。富士通、NEC、NTTデータのITサービス大手3社が相次いで発表した2022年度(2023年3月期)上期(2022年4〜9月)の決算から、今後の需要動向の先行指標となる受注状況に着目して見通しを探りたい。

富士通が語る IT市場の見通し

 富士通が2022年10月27日に発表した上期の国内受注状況は、全体で2021年同期比100%と横ばいだ。ただ、これは同社が「ネットワーク」と分類する分野での一時的な動きが影響したもので、同社のITサービスを指す「SI/サービス」は同108%と堅調に推移している。

決算会見を行う富士通の磯部武司氏(執行役員SEVP CFO)

 事業分野別ではエンタープライズビジネス(製造業などの産業、流通、小売)が同108%、ファイナンスビジネス(金融・保険)が同104%、Japanリージョン(官公庁・社会基盤などのミッションクリティカル)が同107%と伸長した。富士通Japan(自治体・ヘルスケア、文教・中堅民需)は同100%と横ばいだった。ネットワークは2021年同期の大型受注の反動で同62%と減少した(図1)。

図1 富士通の各分野における2022年度上期の受注状況(富士通の決算資料)

 今回の受注状況について、同社の磯部武司氏(取締役執行役員SEVP CFO)はオンライン会見で次のように説明した。

 「エンタープライズビジネスでは、主要業種で基幹システムの更新案件の受注が相次いだ。ファイナンスビジネスでは、第2四半期で大手の銀行や損害保険会社の大型案件の受注を獲得した。Japanリージョンでは、公共向けが堅調に推移した。富士通Japanでは、自治体向けがシステムの標準化に向けて堅調に推移した一方、文教や中堅民需向けでは部材不足の影響もあって受注が後ろ倒しになっている案件もある」

 質疑応答で、今後の景気後退の懸念とIT市場動向を尋ねた筆者の質問に、同氏は次のように答えた。

 「世界経済の減速については、まずは海外事業に大きな影響があり得るので非常に懸念している。それに伴う国内の景気後退の動きについても注視していく。ただ、国内については今のところ、幅広い業種のお客さまの基幹システムの更新が相次ぎ、SI/サービス事業の伸長は下期も好調に推移するとみている。どのお客さまも基幹システム更新に当たって、システムのモダナイゼーションやDX(デジタルトランスフォーメーション)に積極的に取り組んでいるのが最近の特徴だ」

 さらに、「こうしたDXやモダナイゼーションは、たとえ景気後退の局面でも変わることなく強い需要があるものと考えている。ここにきて、多くのお客さまがDXやモダナイゼーションについて『待ったなしでやらなければならない』と、強い危機意識を持つようになったと実感している。そうしたお客さまをしっかりとサポートしていきたい」と語った。

 つまり、顧客企業の目の色が変わってきたようだ。これについて強く訴える同氏の発言が印象的だった。

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