OracleはAIに関する重点施策の要素として、図5の3つを掲げている。
1つ目の「『Oracle Fusion Cloud Applications』『NetSuite』などへのジェネレーティブAIおよび学習済みモデルの組み込み」では、Oracle Fusion Applicationsの各種サービスや中小企業向けクラウドERPサービスの「NetSuite」にAI機能を実装していると説明した。OCIのサービス使用やインテグレーション、データ移動にかかるコストやセキュリティリスクを削減するという。
2つ目の「顧客データをセキュアに活用し、顧客専用モデルを構築可能にするジェネレーティブAIサービスおよび各種AI開発サービス」では、Oracleと大規模自然言語モデル(LLM)サービスを提供するCohereとの協業などを説明した。
三澤氏は「Cohereと連携し、ビジネス向けに強力でセキュアなジェネレーティブAIサービスを提供していく」と期待を寄せた。
3つ目の「大規模なAIモデル作成を、高速かつ低コストに実現する『Oracle Cloud Infrastructure』」について三澤氏は「AIの高度化やAIモデルの巨大化により、AIの学習時間とコストが増大している」と指摘した。AI事業を推進する企業は、AIサービスを市場に投入するまでの学習時間と学習コストを小さくしたいと考えており、AIインフラストラクチャは「大規模にスケールするGPUクラスタ」「大量のGPUを活用できるネットワーク」「低コスト」といった要件を満たす必要がある。これらを満たすものが「OCI Supercluster」だ。NVIDIAとの協業もあり、最大32768GPUまでスケールでき、それでいて他社サービスより30〜40%も価格が低いという。
三澤氏は「Oracle Database」に生成AIを組み込むことについては、「データベースに対するクエリを生成AIが支援することはもちろん、自然言語の利用範囲が広がるといった事は多くの方が予想できるだろう」と話すにとどめた。2023年9月に米国で開催を予定している「Oracle CloudWorld 2023」で、Oracle Databaseを含むさまざまなサービスの追加情報が発表されるかもしれない。
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