OpenAI、ChatGPT関連のアップグレードを発表 開発者必見の5つのサービスCIO Dive

OpenAIは初の開発者会議でChatGPTに関連した10以上のサービスのアップグレードを発表した。本稿はその中でもCIOにとって有意義な5つのサービスを紹介する。

» 2023年12月01日 07時00分 公開
[Lindsey WilkinsonCIO Dive]

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CIO Dive

 「ChatGPT」は2022年にリリースされて熱狂的な関心を集めた(注1)。OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏は、2023年11月6日(現地時間、以下同)にサンフランシスコで開催された同社初の開発者会議の基調講演で「現在、当社のAPIを使用してシステムを構築している開発者は200万人を超え、毎週1億人がChatGPTを利用している」と語った。

 OpenAIのサービスは企業にとって大きな魅力であり、Fortune500社のうち92%が同社の製品を利用している。これは同社が「ChatGPT Enterprise」を立ち上げた2023年8月末から12ポイント増加したことになる(注2)。この中にはCoca-Colaや航空会社のJetBlue、住宅リフォーム・家電チェーンのLowe’s、PwCなどの企業も含まれる。

 2023年11月6日に開催されたOpenAIの最初の開発者会議では、同社は12以上のサービスのアップグレードを発表した。このうちCIO(最高情報責任者)が注目すべき5つのアップデートを紹介する。

1.GPT-4 Turbo

 OpenAIは大規模言語モデル(LLM)「GPT-4」の新バージョン、「GPT-4 Turbo」を発表した(注3)。

 「このモデルはGPT-4より2.75倍安く、1プロンプト当たり300ページのテキストに相当するコンテキストウィンドウを備えている」とアルトマン氏は述べている。このモデルの知識ベースは2023年4月まで稼働する。

2.カスタムモデルプログラム

 OpenAIは新しいプログラムを通じて、同社の開発者と共にカスタムモデルを作成するよう企業に呼びかけた。選ばれた企業には、OpenAIの研究者の専門グループがモデルトレーニングプロセスの各ステップを修正し、特定のビジネスニーズに合わせたモデルを作り上げる。

 アルトマン氏は「最初は多くの企業でこれを実現できず、少なくとも当初は安価には済まないだろう」と言う。

3.GPTs

 企業はコーディングの知識がなくても、ツールのアプリ内で「GPTs」と呼ばれる、特定のタスク用にカスタマイズされたバージョンのChatGPTを作成できる(注4)。一度作成すれば、ユーザーはGPTsを公開することも、社内でのみ共有することも可能だ。

 OpenAIは2023年11月末に「GPTストア」を立ち上げる予定で、検証済みの開発者が作成したGPTsを特集する。ChatGPTカスタムモデルのプライバシーポリシーは、アカウント保持者がモデルのトレーニングからオプトアウトできるようにするなど、既存のルールに基づいたものになる。

4.著作権保護

 OpenAIはシステムに著作権ガイドラインを組み込み、法的請求に直面した顧客を守ることを約束した。

 「著作権保護とは、顧客が著作権侵害の法的請求に直面した場合、私たちが介入して顧客を守り、発生した費用を支払うことを意味する。これはChatGPT EnterpriseとAPIの両方に適用される」とアルトマン氏は話す。

 Microsoftは2023年9月に(注5)、Googleは同年10月に同様の誓約をしている(注6)。

5.Assistants API

 2023年11月6日にβ版が公開された「Assistants API」を通じて、企業はAI(人工知能)ツールをパーソナライズできる。Assistants APIでは、サンドボックス環境でPythonコードを書いて実行する「Code Interpreter」にアクセスできるようになる。アルトマン氏は次のように述べている。

 「時がたつにつれて、GPTsとAssistants APIはさらに多くのことができるようになるだろう。徐々に、より複雑な行動を計画し、あなたに代わって物事を実行できるようになるはずだ。私たちは、段階的かつ反復的なデプロイメントの重要性を本当に信じている。どのような世界になっていくのかという感触をつかむために、エージェントがより有能になるにつれて、今すぐこのエージェントを使って構築し、使い始めることが重要だと考えている」

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