生成AIの活用が本格化すると見られる2024年、アクセンチュアは、生成AIへの世界的なニーズの高まりに対応するため、日本を含むアジア太平洋・中南米地域の9カ国に生成AIスタジオを設立し、生成AIスタジオのネットワークの拡充を図る。
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アクセンチュアは2024年1月8日、生成AI(人工知能)へのニーズの高まりに対応するため、アジア太平洋と中南米市場の9カ国に生成AIスタジオを設立すると発表した。
今回された生成AIスタジオの拡充は、同社が取り組むAI・データ関連事業への30億ドルの投資の一環だ。生成AIスタジオのネットワークは既に北米の6カ所に広がっているという。
生成AIスタジオは、日本やオーストラリア、アルゼンチン、ブラジル、中国、インド、メキシコ、フィリピン、シンガポールに設立される。インドとシンガポールの生成AIスタジオは開設済みだ。各スタジオはアクセンチュアのデータおよびAIの専門家やエコシステムパートナー、スタートアップ企業やさまざまな戦略的投資先と顧客企業をつなぐ役割を担う。アクセンチュアの「責任あるAI」(レスポンシブルAI)のフレームワークを基盤として、生成AIソリューションの迅速な実証や共創、拡充を支援する。
アクセンチュアの成長市場担当CEOであるレオ・フラミール(Leo Framil)氏は、「AI活用の実証実験期から本格導入期へ移行し、バリューチェーン全体にわたる複雑なビジネス課題の解決に活用したいと考える企業が増えている。また、企業は生成AIが検討と軽減が必要な新たな独自のリスクをもたらすことも認識している」と説明する。
「アクセンチュアは顧客企業との対話や既存のプロジェクトに基づく幅広い知見を有し、さまざまな人材や業界とのパートナーシップも豊富だ。アクセンチュアの生成AIスタジオは、これらの知見や経験、ノウハウを生かし、オーダーメードのソリューションと責任あるAIの活用で、顧客企業のビジネス全体の改革を支援する」(フラミール氏)
アクセンチュアが実施した最新のグローバル調査によると、アジア太平洋地域の経営幹部の77%(日本では73%)が実証実験から独自のデータを使った基盤モデルのカスタマイズに移行するのに伴って、2024年にAI関連支出の増加を計画している。中南米地域の経営幹部の84%も同様の計画を立てていることが分かった。
アクセンチュアの成長市場におけるAIとデータ分野を統括するヴィヴェク・ルースラ(Vivek Luthra)氏は次のように説明する。「生成AIの可能性を最大限に引き出すには、最新のクラウドと基幹システムを含むデジタルコアの揺るぎないデータ戦略を持つことが不可欠だ。アクセンチュアの生成AIスタジオは、データとAIに対する投資を強化し、顧客企業がAIの本格導入で生産性向上とビジネス成長を実現するための幅広い支援を提供する」
生成AIスタジオは、ネットワーク全体で業界や機能に関する幅広いニーズに対応する。各拠点は銀行や保険、電気通信、公共、製造、再生可能エネルギー、化学、鉱業などの専門産業に特化している。アジア太平洋と中南米地域の生成AIスタジオは2024年1月に稼働を開始する予定だ。アルゼンチンとメキシコは2024年後半に設立予定だ。
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