F.A.C.C.T.はeSIMカードの交換や復元機能を利用してユーザーの携帯電話番号を窃取し、オンラインバンキングへのアクセスを試みる新たなSIMスワップ攻撃を観測した。
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ロシアのセキュリティ企業F.A.C.C.T.は2024年3月14日(現地時間)、ユーザーのスマートフォンから携帯電話番号を窃取し、オンラインバンキングにアクセスしようとするSIMスワップ攻撃を観測した。eSIMの交換または復元によって携帯電話番号を窃取するという。
サイバー犯罪者は、eSIMカードの交換や復元機能を利用して携帯電話番号を窃取している。被害者のSIMカードからeSIMを使用して自分のデバイスに携帯電話番号を転送するなどの手口が確認されているが、こうした手口はロシアでは少なくとも1年前から観測されているという。
F.A.C.C.T.が今回発見した新しいハイジャックスキームでは、eSIMのプロファイル生成と保護を担う「SM-DP+アドレス」のQRコードまたはアクティベーションコードを取得するために、攻撃者自身がオペレーターのWebサイトやアプリケーションを作成して物理カードからeSIMに携帯電話番号を転送している。サイバー攻撃者がこのプロセスを完了すると、ユーザーはすぐにSIMカードを使用できなくなり携帯電話番号にアクセスできなくなる。
同社はこうしたサイバー詐欺の被害者とならないために以下のアドバイスを送っている。
F.A.C.C.T.で不正防止部スペシャリストを務めるドミトリー・ドゥドコフ氏は「サイバー犯罪者は被害者の携帯電話番号にアクセスすることで銀行やメッセンジャーなどのさまざまなサービスへのアクセスコードや二要素認証を取得できます。最近、このスキームには多くのバリエーションがありますが、詐欺師が最も興味を持っているのはオンラインバンキングサービスです。彼らは携帯電話番号に送信される確認コードが記載されたメッセージを窃取して被害者の口座から全てのお金を引き出し、ローンを申し込みます」と語った。
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