2025年はWindows 10のサポート終了を控え、PC買い替え需要の高まりが予想されていた。しかしノークリサーチの調査によると、中小企業のハードウェア投資は別の分野に集中した。2025年の中堅・中小企業向けIT市場で何が起きたのか。
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生成AIに代表されるAIブーム、「Windows 10」のサポート終了、そして経済産業省の「DXレポート」で指摘されたレガシーシステムを抱えるリスクを指す「2025年の崖」というフレーズなど、2025年はIT投資を占う“前情報”が豊富に提供された年だった。
実際のIT投資の状況はどうだったのか。ノークリサーチが実施した中堅・中小企業のIT支出額に基づく調査から「答え合わせ」をしよう。なお、同調査は2025年7〜8月に実施し、年商500億円未満の中堅・中小企業1300社から有効回答を得た。
2025年の中堅・中小企業向けIT市場規模は約1兆4452億円で、2024年の約1兆4863億円とほぼ横ばいだった。年商規模別に見ると、小規模企業層(年商5億円未満)では大幅減となった一方、中小企業層(年商5〜50億円)や中堅企業層では増加に転じた。
特に注目すべきは、中小企業層におけるハードウェア投資の内訳だ。2025年10月に「Windows 10」がサポート終了することから、PC買い替え需要が高まると予想されていた。しかし同調査結果は、その予想を覆すものだった。
図1は、中堅・中小市場におけるIT市場規模を年商規模別に集計し、2024年と2025年で比較したものだ。
図2は、中小企業層(年商5〜50億円)におけるIT支出を5つの商品カテゴリー別に集計したものだ。「DX関連ソリューション」や「クラウドサービス」がおおむね横ばいである一方、「業務アプリケーション」と「ハードウェア」は増加しており、特にハードウェアの増加幅が大きい。
図3は、中小企業層におけるハードウェア支出の2025年の内訳だ。Windows 10のサポート終了を控え、「PC・スマートフォン・タブレット」の占める割合が高くなると予想されたが、実際には「サーバ・ストレージ機器」が最も高い比率を占めた。「ネットワーク機器」も「PC・スマートフォン・タブレット」を上回った。
図4は、組立製造業における商品カテゴリー別のIT市場規模の経年変化だ。「ハードウェア」と「クラウドサービス」はおおむね横ばいである一方、「DX関連ソリューション」と「業務アプリケーション」は増加している。
図5は、組立製造業における業務アプリケーションの2025年支出内訳だ。生産管理システムを含む「基幹系システム」が最も高い比率を占め、「顧客管理系システム」が2番目に続く。ノークリサーチは、納期回答や受注予測の精度向上を目的とした生産管理システムとSFA(営業支援システム)の連携が、中堅・中小市場でも進みつつあると分析する。
同調査によると、2025年における中小企業のハードウェアへの投資の内訳に占めるサーバやストレージ、ネットワーク機器の割合は高い。この背景にある要因が中小企業のクラウドからオンプレミスへの回帰かどうか、あるいはクラウドとオンプレミスの双方でサーバ導入が盛んになっているかどうかの見極めが重要だとノークリサーチは指摘する。
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