RFIDは今後の小売製造業の業務プロセスを根本的に変えてしまうほどのインパクトを持つ技術。実際に導入されると何が起こるのか、また実装する上でどんな問題点があるのかを特集する。
[最終更新日:2005年10月01日]
ICタグの普及と雇用問題
ICタグの普及には、いくつかのハードルをクリアしなければならないが、本稿ではいかにICタグが社会に普及していくかを、総務省の調査研究会の報告書を基に考えてみたい。ICタグと雇用問題についても触れてみたい。
- 大量のICタグをいかに生産・破棄するのか
- いくらなら使えるか、ICタグの値段〜コストの壁と現実的な価格を探る
- RFIDにおける使用帯域の本命は?
- RFIDとは何か?――モノと人を非接触で識別するRFIDの仕組み
- 総論:RFID報道の大間違いを正す
RFIDはプロセス変革とともに――舟本流通研究室代表 舟本秀男氏
RFIDは小売業界の業務プロセスにどのような影響を及ぼすのか?流通業界の革新についての研究で知られる舟本流通研究室代表の舟本秀男氏に、RFIDが小売流通業界にどのような影響を与えるかについて寄稿してもらった。
近距離無線の新規格「ZigBee」の可能性
RFIDやBluetoothと共に、近距離無線技術として注目されているZigBeeを中心に、名古屋市で研究を進めるOTSLに、ZigBeeからRFID、Bluetooth、微弱無線など、近距離無線技術の概要について寄稿してもらった。
RFIDで万引き被害削減をねらう出版業界
これまで、マルエツの実証実験をベースにRFIDの技術的な課題や、政治的問題という側面もある標準化の問題を取り上げた。今回は、導入を検討する小売の各企業がRFIDに何を期待しているのかについて触れる。だが、利用面を考える場合も現状ではどうしても技術面の壁にぶつかってしまうようだ。
小売業が採用するべきRFIDのコード標準は?
日本の小売業にとってRFIDへの取り組みは、競争力で世界に差別化を図る手段というよりは、欧米に差をつけられないために実証実験を急ぎ、一刻も早く追いつかなくてはならない状況だ。今回はRFIDシステムの導入におけるICタグのコード体系の標準化の動きについて紹介したい。
マルエツの実証実験に見るRFIDの技術的課題
小売業界は国際競争力を維持するために、技術を用いた業務革新を行う必要がある。ただし、期待されるRFID分野では、既に実験を行っている欧米の小売各社の取り組みに追いつくことが先決だ。今回はスーパーのマルエツの実証実験において、実用化に向け浮き彫りになった技術的な問題点について特集する。
RFID前夜:1個5円だ!〜響プロジェクト
RFIDの究極の姿が、商品1つひとつにICタグを貼付する単品管理であるとすれば、かなり下がってきた50円という単価でも高額という業種が多い。そこで、経済産業省が2004年に立ち上げたのが「響プロジェクト」。
- RFID前夜:UFJもいいけどUHFにも注目
- RFID前夜:そもそもRFIDって何?
- RFIDでプライバシーの心配は無用?
- RFID前夜:ICタグの真骨頂「アンチコリジョン」
- RFID前夜:EPC Globalの成り立ち
総論:「危うい」日本の小売
「西友がWal-Mart傘下へ」というニュースが流れたのが2002年3月。外資系企業が日本市場を完全に理解したとき、ついに小売でも本当の実力勝負が始まる。果たして、この試合、日本に勝ち目はあるのか?
流通業界にグローバル化の波が押し寄せる。そのスピードは非常に速い。Wal-MartによるRFID導入だけでなく、WWREなどを含め、サプライヤーの参入を実質的に狭める動きも出てきている。放っておけば、気づいたころには日本の小売業が世界標準から置き去りにされ、競争力を失う危険性もある。対応策を取材する。
「情報戦争」を制するものが小売ビジネスを制す
これまで、スーパーマーケットやコンビニエンスストアを取り上げ、日本の小売のこれまでの発展の経緯を見てきた。今回は、これからの小売業が、ITを業務プロセス改善に生かしていくために、どのような考え方で望むべきなのかを考えてみたい。
スーパーマーケット発展の歴史から考える今後の小売ビジネス
これまで日本の小売ビジネスを支えてきた仕組みをスーパーマーケットの観点から振り返り、将来の在り方を展望する。
スーパーとは異なるコンビ二発展の経緯
昭和30年代からバブル崩壊、そして現在までの日本の小売ビジネスの経緯にスーパーマーケットを取り上げて概観した。実際には、スーパーマーケットの基本概念は取り入れたものの、経営システムという見方からすると必ずしも本質的に導入したとは言いがたい。
流通において、取引企業間がインターネットを基盤として効率的な取引を実施し、情報を共有する「E-コラボレーション」は日本ではまだまだ進展していない。着々と準備が進む諸外国の動きを見ると、日本の小売業界がここでも危機に立たされていることが分かる。
企業間がオンライン情報共有で取引を効率化するために
流通において、取引企業間がインターネットを基盤として効率的な取引を実施し、情報を共有する「E-コラボレーション」は日本ではまだまだ進展していない。着々と準備が進む諸外国の動きを見ると、日本の小売業界がここでも危機に立たされていることが分かる。
CPFRが追求する小売プロセス
前回、Wal-MartとWarnerLambert間のCFARについて紹介した。Wal-MartはかつてのQRにおける取り組みと同様に、CFARというビジネスモデルを自社に止めることなく、実験結果を米国の流通業界の標準化機構であるVICSに提供した。
小売業における取引企業間コラボレーション――Wal-Martの緻密な製販連携
Wal-Martが順調に業績を伸ばしている。食料品に限らず、玩具、マガジン、DVD/ビデオ分野でも米国内シェアで先頭に立っている。同社の戦略の基盤は取引先とのコラボレーションにある
店舗への集客、バーゲンの使い方、顧客情報の管理など、小売業はITが活躍する場面が多い。インターネットという販売チャネルも登場した。今後、「顧客を知る」というテーマがさらに強く意識されるようになる。
JRのスイカ、ampmやANAが採用するEdyなど、ICカードを利用した消費の新しい形が生まれようとしている。今後は、携帯電話を巻き込んだ巨大市場になっていく。小売業を中心とする流通業者はこれにどう対応していくべきなのか。
小売業ほど顧客との関係がビジネスに直結する業種も他にない。スーパーマーケット、コンビニなど、競合店舗はどこにでもあり、顧客満足度を維持しない限り、常に顧客流出のリスクが潜んでいる。「顧客の囲い込み」は現在のビジネスにおけるキーワードだ。ITはこれにどう応えてくれるのか。
インターネット上店舗を利用した商品購入市場が急拡大している。かつては、クレジットカード番号の入力などの障壁があったが、テクノロジーの進化、ブロードバンド化の進展による市場拡大により、もはやこうした「抵抗」はなくなりつつある。ネットビジネスの今後の活用と市場の動きについて特集する。