[コパン]データ量増大とMAID技術の関係ストレージ関連ベンダ それぞれの戦略(12)(2/2 ページ)

» 2007年11月26日 12時00分 公開
[三木 泉,@IT]
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MAIDと重複排除でストレージコストを抑える

 コパンのRevolutionシリーズの特徴は、具体的には以下のような点にある。

 同社のストレージシステムはまず、安価で容量も稼げるSATAディスクドライブを採用。これを、7個のディスクドライブを収納できる独自設計の「キャニスター」と呼ぶカートリッジに組み込んでいる。この大容量のSATAディスクドライブとキャニスターのおかげで、スペース効率が大幅に向上しており、一般的なストレージシステム6ないし7キャビネット分のディスク容量を1キャビネットでまかなえるとしている。最新製品では750GBのディスクドライブを採用することで、物理容量は1キャビネット当たり最大672TBとなった。このコスト効率と省スペース性、そして拡張性は同社の製品の基本的な特色となっている。

 だが、コパンの製品でさらに特徴的なのはMAID技術だ。稼働しているアプリケーションで読み書きがなされる間、そのディスクドライブだけを回転させ、そのほかは回転をストップすることにより、消費電力を大幅に削減できる。同社では、従来のストレージシステムの同容量構成と比較した場合、消費電力は15%にしかならないという。

 コパンの製品では、データを複数キャニスターにまたがって3+1の構成で作成するRAIDに書き込む。そしてそれぞれのディスクドライブを、必要なときに回転させ、不要なときには止めておく。データを「片寄せ」することによって常時回転するディスクドライブとまったく回転しないドライブを分けているわけではない。

 「それぞれのディスクドライブを回転させたり、ストップさせたりすることに心理的な不安を感じる顧客もいる。しかしIDEから発展したSATAは、ノートPCで使うディスクドライブのために設計されたもの。基本的にオン、オフをすることが設計目標となっている。SATAドライブを常時回転させて使うストレージベンダは、この技術を誤用している」とCEOのワード氏は主張する。コパンでは、同社のMAID技術を使った場合、ディスクドライブのMTBFは常時回転で使う場合の4倍以上になるとしている。

 2007年10月には、重複排除機能を発表し、データ容量単価をさらに下げるとともに、1キャビネット当たりの容量を約6PBに向上した。

 この重複排除機能は、ファルコンストアの技術を採用したもので、コパンによると「業界唯一のエンタープライズクラスの重複排除機能」という。

 この機能では、いったんデータをそのままディスクドライブに書き込んだ後で、バックグラウンドで重複排除を実行する。この方法では、一連の動作が完全に終了するまでには時間がかかるとしても、バックアップストレージシステムへの書き込み自体は早く終わる。

 ヴィール氏は「大規模企業は、データの書き込み時に(インラインで)重複排除を行うことを嫌う。バックアップ時間が不安定になったり、長くなったりするからだ」。これが自社の重複排除をエンタープライズクラスと呼ぶ理由だという。

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▼著者名 三木 泉


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