
「経理業務のデジタル化」は企業の生産性を左右する重要なテーマです。しかし、数多くの製品の中から自社に最適な会計ソフトを選ぶのは容易ではありません。
本記事では、2026年現在の最新動向を踏まえ、おすすめの会計システム(全14製品/2026年1月時点)を徹底比較します。クラウド型とインストール型の違いや、法人・個人事業主それぞれの選定基準、さらにはインボイス制度や電子帳簿保存法への対応ポイントまで詳しく解説します。
目次
この記事のポイント
- 会計ソフトのトレンド: 2026年現在は、AIによる自動仕訳と外部システム連携が標準機能となり、クラウド型が主流です。
- 選定の軸: 法人は「内部統制・多機能性」、個人事業主は「確定申告の容易さ・コスト」を最優先にすべきです。
- 法改正対応: インボイス制度、改正電子帳簿保存法への対応は必須。クラウド型は自動アップデートでこれらをカバーします。
- 推奨アクション: 無料トライアルを活用し、実際の担当者が操作感(UI)を確認することが導入成功の近道です。
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会計業務で直面する現代の課題
多くの企業や個人事業主が、日々の経理業務においてさまざまな課題を抱えていることでしょう。まずは、従来の手法や古いシステムを使い続けることで生じる具体的な悩みについて整理します。
以下の課題に心当たりがある場合、会計ソフトの導入や刷新が解決の鍵となるかもしれません。
- 手作業による記帳ミスと業務の停滞
- 頻繁な法改正への対応コスト
- リアルタイムな経営状況の把握が困難
手作業による記帳ミスと業務の停滞
紙の伝票や表計算ソフトを用いた手動入力では、どうしても転記漏れや入力ミスといったヒューマンエラーを避けられません。
1つのミスが原因で、月次決算の数字が合わずに原因究明に数日を要するといったケースも珍しくありません。また、紙の領収書の整理やファイリング、承認のための社内回覧など、アナログな工程が業務のスピードを著しく低下させています。
頻繁な法改正への対応コスト
インボイス制度の開始や改正電子帳簿保存法の施行など、近年の税制・法規制の変化は激しさを増しています。従来のインストール型ソフトや自社開発システムでは、これらの改正に合わせるためのアップデート作業やシステム改修に多大なコストと時間がかかります。
法規制への対応が遅れることは、税務上のリスクを招く恐れもあり、担当者の心理的負担も大きくなっています。
リアルタイムな経営状況の把握が困難
月次決算の確定までに時間がかかる環境では、経営者が「現在の数字」を見て迅速に意思決定を行うことができません。
先月の実績が判明するのが今月末になるといったタイムラグがある状態では、変化の激しい市場環境に対応するための投資判断やコスト削減のタイミングを逸してしまう可能性があります。
会計ソフト導入による解決策と手法
前述した課題を解決するためには、単なるデジタル化にとどまらず、業務フローそのものを最適化する手法が求められます。
会計ソフトを導入することで、具体的にどのようなアプローチで業務が改善されるのか、その主な手法を解説します。
- クラウド移行による場所を問わない運用
- AIを活用する自動化の推進
- 各種業務システムとのシームレスな統合
クラウド移行による場所を問わない運用
現在、会計ソフトの主流はクラウド型へとシフトしています。クラウド型を採用する最大の手法は、インターネットを通じてどこからでもアクセス可能な環境を構築することです。これにより、オフィスに出社せずとも経理業務が可能になり、テレワークの推進や、税理士とのリアルタイムなデータ共有が容易になります。
AIと銀行連携による自動化の推進
最新の会計ソフトには、AI(人工知能)を活用した自動仕訳機能も搭載されるようになっています。
例えば、銀行口座やクレジットカード、電子マネーとシステムをAPI連携させる手法をとることで、明細データを自動取得し、過去の傾向から勘定科目を推測して自動で仕訳を生成します。人間による入力を最小限に抑えることが、効率化の最も有効な手段となります。
各種業務システムとのシームレスな統合
会計ソフトを単体で考えるのではなく、受発注システムや経費精算、給与計算などの周辺システムと連携させる手法も重要です。
例えば「受発注システムで作成した請求書データが、自動で会計ソフトに売り上げとして計上される」といった仕組みを実現できれば、二重入力の手間が完全に解消されます。
会計ソフトの主な機能
会計システム/会計ソフトに備わる主な機能は、以下の表のとおりです。
| 機能 | 説明 |
| 伝票入力(自動仕訳) | 勘定科目と金額を入力することで自動的に仕訳される |
| 入金管理 | 請求書と連携し、売り上げ債権への追加や売り上げ債権の回収消込など、売掛金を中心とした債権管理を行う |
| 支払管理 | 請求書と連携し、仕入債務への追加や支払予定日を確認できるなど、買掛金を中心とした債務管理を行う |
| 帳簿作成 | 伝票入力により、自動的に総勘定元帳や現金出納帳などの必要な帳簿が作成される |
| 税務申告 | 税務申告で参考になる、消費税集計などの資料が自動で作成される |
| 経営分析 | 貸借対照表や損益計算書などからわかる数値を基に、経営や財政状態を分析できる |
| 資金管理 | 資金管理を円滑にするためのキャッシュフローを確認・管理できる |
| 予実管理 | 予算と実行結果を管理できる |
| 決算書作成 | 貸借対照表や損益計算書などの決算書が作成できる |
| データ連携 | 銀行の入出金データ、クレジットカードの利用履歴など、外部のデータを会計システム上にデータとして取り込む |
| データセキュリティ | データが見られなくなることを防ぐために、登録した仕訳やデータのバックアップや通信の暗号化をする |
従来の会計業務では、転記漏れや計算・入力ミスなどの「人的ミス」が起こりやすい傾向にありました。しかし、会計システムに搭載されているさまざまな機能を活用することによって、人間が手作業で行う機会を最小限に抑えることができ、業務の効率化やミスの防止につながります。
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会計ソフト導入で得られる6つのメリット
会計ソフトを導入し、適切に運用することで、企業は単なる事務作業の削減以上の価値を得ることができます。
ここでは、導入によって実現できる具体的なメリットを6つのポイントに絞って紹介します。
- 記帳業務を自動化できる
- ヒューマンエラーを削減できる
- リアルタイムで経営状況を把握できる
- リモートワークを推進できる
- 法改正への対応を迅速化できる
- 決算業務のリードタイムを短縮できる
記帳業務を自動化できる
近年は特に、「AI活用」による自動化機能が急激に進化しています。例えば会計ソフトであれば、銀行明細やクレジットカードの利用履歴を自動で取り込み、AIが適切な勘定科目を提案するといった行程を自動化できます。
手入力の工数を大幅に削減できることによって、経理担当者は単純作業や面倒で時間のかかる行程から解放され、より付加価値の高い管理会計などの業務に時間を割けるようになります。
ヒューマンエラーを削減できる
一度設定した仕訳ルールに基づきシステムが処理を行うため、手書きや手入力で発生しがちな計算ミス、桁間違い、勘定科目の取り違えなどを防ぐことができます。データの整合性が担保されることで、決算時の修正作業も最小限で済みます。
リアルタイムで経営状況を把握できる
日々の取引データが即座に反映されるため、試算表や貸借対照表、損益計算書をいつでも最新の状態で確認できます。経営者は「今、自社にどれだけのキャッシュがあり、どの事業が赤字なのか」を瞬時に把握し、スピーディーな経営判断が可能になります。
リモートワークを推進できる
クラウド型の会計ソフトであれば、場所を選ばずセキュアにアクセスできるため、経理部門においても在宅勤務やサテライトオフィスでの業務が可能になります。物理的な書類の受け渡しやハンコによる承認フローを電子化することで、場所の制約から解放されます。
法改正への対応を迅速化できる
クラウド型製品の多くは、税制改正や法規制の変化に合わせて自動でシステムがアップデートされます。ユーザーは追加費用や複雑な設定変更をすることなく、常に最新の法令に準拠した状態で業務を継続できるため、コンプライアンス維持の負担が軽減されます。
決算業務のリードタイムを短縮できる
日次でのデータ蓄積と自動集計により、月次・年次決算の確定にかかる時間を大幅に短縮できます。決算早期化が実現することで、株主への報告や金融機関への書類提出がスムーズになり、企業の社会的信頼性の向上にも寄与します。
失敗しない会計ソフトの選定ポイント
自社に適した会計ソフトを選ぶためには、機能の有無だけでなく、運用面や将来性を含めた多角的な視点が必要です。
導入後に「使いにくい」「必要な機能が足りない」といった失敗を避けるための、主要な選定基準を解説します。
- 導入形態(クラウド型かインストール型か)の選択
- 操作性とUIの分かりやすさ
- 外部システムとの連携性
- サポート体制の充実度
導入形態(クラウド型かインストール型か)の選択
自社のインフラ環境やセキュリティポリシーに合わせ、クラウド型かインストール型かを選択します。運用コストの低さや法改正への柔軟な対応を重視するならクラウド型、社内ネットワークのみで完結させたい、あるいは極めて高度な独自カスタマイズが必要な場合はインストール型が候補になります。
操作性とUIの分かりやすさ
毎日使うシステムであるため、直感的に操作できるかどうかが極めて重要です。特に簿記の知識が浅い担当者が利用する場合、仕訳の自動提案やガイド機能が充実しているか、画面構成が煩雑すぎないかを確認しましょう。多くのベンダーが提供している無料トライアルを活用し、実際の担当者が試用してみることが失敗を防ぐ近道です。
外部システムとの連携性
既存の銀行口座、クレジットカード、POSレジ、経費精算システムなどとスムーズにデータ連携ができるかを確認します。連携できるサービスが多ければ多いほど、データ入力の自動化範囲が広がり、導入効果が高まります。
サポート体制の充実度
導入初期の初期設定や、操作上の不明点が生じた際のサポート体制を確認します。電話、チャット、メールなど、自社が希望する形態で迅速なレスポンスが得られるかどうかが運用の安定性を左右します。
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