ソニーは1月14日、アイワブランドの新戦略商品「USBオーディオ」シリーズを発表した。第1弾製品群として、HDDやUSBメモリを使った携帯オーディオプレーヤー、USBアクティブスピーカーシステム、デジカメなどUSBを利用したパーソナルAV製品群12機種を2月1日から順次発売していく。
価格はすべてオープン。12機種トータルでの初年度出荷目標台数は、全世界で100万台を目指すという。(「HDDプレーヤー」、「USBプレーヤー&デジカメ」、「USBスピーカー」の詳細は別記事を参照)
新製品発表にあわせて同社は、アイワのブランド戦略や新製品群を中心とした今後のビジネス展開について、同日都内で記者会見を実施した。
同社は2002年2月28日に、それまで出資比率61%だったアイワを100%子会社化し、さらに2002年12月1日にはアイワの吸収合併を実施。50年以上続いた“企業アイワ”の歴史には幕が閉じられ、昨年1月からはソニーグループの“1つのブランド”として再興を目指してきた(2003年1月8日の記事を参照)。
同社の海外マーケティングから2002年12月1日付でアイワビジネスセンターのプレジデントに就任した平内優氏は、昨年1月の記者会見で「ソニーとは違うバリューを提供していかなければ存在価値がない」と語り、独自商品や新規カテゴリー導入によるブランドイメージ刷新を掲げていた。
だが“新生アイワ”が、昨年1年間で市場に送り出してきた製品群は、ミニコンポ/ポータブルMDプレーヤー/液晶TV/DVDプレーヤー内蔵TVなど、吸収合併前のアイワが展開していたAV製品の延長線上にあるもの。「ソニーグループの高い技術力やアイデアを使いながら、ソニーができなかった“やんちゃ”な商品を創出していきたい」と平内氏がアピールしていた独自商品は、登場していなかった。
従来型路線の“アイワ”が一番得意とするオーディオ分野は全世界的に縮小傾向にあり、特に日米欧の先進国では大幅にシュリンクしている。
「しかし、音楽自体は生活において依然として重要なファクター。注目しなければいけないのは、音楽の聴き方が変わっている点だ。個人のエンターテインメントツールとして広く使われ始めてきた“PC”が、そのキーワードになっている」(平内氏)
同社の調査によると、「PCを音楽機器として利用しているか」という問いに対して、日本では62%、米国では98%、欧州では73%のユーザーがYESと答えているという。また、日本ではレンタルCDの普及が著しいが、注目はレンタルCDの録音メディアとして61%のユーザーがCD-Rを使い、半数のユーザーがHDDに音楽データを保存しているという点だ。
「従来は店頭で購入していた音楽アルバムが、今ではインターネットを使ってダウンロードしたりと、ミュージックライフスタイルの変化もある。既存のオーディオ市場のシュリンクを嘆くのではなく、今風のミュージックスタイルにあった今風の商品を出せば支持してもらえる」(平内氏)
“オーディオのアイワ”復活のための成長エンジンとして同社が掲げたのが、ほとんどのPCに標準装備されている“USB”を使ったオーディオシステム「USBオーディオ」だ。
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