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待望のDIGA新モデル、「DMR-E85H」をチェック(前編)レビュー:松下電器産業「DMR-E85H」(2/2 ページ)

» 2004年03月29日 01時13分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 ジャンル別検索やフリーワードでのキーワード検索もサポートした。残念ながら、検索結果からまるごと録画するようないわゆる“おまかせ録画”機能はないが、検索結果から録画予約を行うと検索結果に戻るので、検索結果を元に複数の番組を連続して予約することは可能だ。残念なのは、検索結果の一覧表示が、一度に1日分しか表示できないことだろうか。

photo ジャンルはプリセットされており、スポーツなど一部のジャンルはさらに詳細なサブジャンルも準備されている
photo キーワード検索は任意の文字列を入力して保存しておける
photo 番組の詳細情報も検索対象となるため、タイトルにキーワードが入っていなくても検索結果に反映される

 さすがにスクロールなどは(PCのEPGに慣れている人には)高速とはいえないが、上下キーを押しっぱなしにした場合には内容の表示を省略し、スクロールを優先して時間帯の移動を高速化している。また、前日、翌日といった移動は別途キーが割り当てられており、「ゴールデンタイムを1週間分続けてチェック」といった使い方もスムーズに行える。

ようやく実現した高速ダビング中の録画、再生

 録画画質は、従来機から大きな変化はない、XP/SP/LP/EP/FRの5段階となる。DVD1枚あたりにそれぞれ最大1時間/2時間/4時間で、EPは6時間と8時間を切り換えて利用する。FRは録画時間に応じてDVD片面に収まるように録画画質(ビットレート)を自動で設定してくれるモードだ。相変わらずマニュアル設定はサポートしないが、どんな番組もDVD片面にきっかり納めたいといった人でなければさほど問題はないと思う。

 最も大きな変化は、高速ダビング中でも録画(タイマー録画含む)、HDDに録画済み番組の再生が可能になったこと。DIGAシリーズでは、これまで一貫してサポートされておらず、昨年の段階ではDIGAの大きな弱点とされていた部分だ。こまめにDVD-RやDVD-RAMにダビングしたい人にも、ようやくお勧めできる製品になった。

改善のすすむソフトウェアと使いやすさを継承したリモコン

 メニュー構成は、アイコンを敷き詰めたデザインから、ジャンル別にグループ化されたデザインに変更された。特定の機能を呼び出すためのキー操作数が増える場合もあるが、デザイン的にはシンプルでわかりやすい。

photo メニューはすっきりした印象。「再生する」「録画する」など、用途別にグループ化しており、従来のDIGAよりもわかりやすい

 動作も非常にキビキビしている。この点は前モデル「DMR-E80H」より上位機種の「DMR-E200H」に近い印象で、「ちょっとストレスを感じるかな」と思うのはEPGのスクロールくらい。ソニー「PSX」のような爆速ではないが、リモコン操作にきっちり画面が追従してくるという印象だ。

 「プログラムナビ」(録画番組一覧)は、トレンドのサムネイル表示をサポートした。6番組ずつ表示可能で、カーソル上の番組は音声付きで再生され、内容がその場で確認できる。EPGを利用して録画すると番組名も表示されるので必須ではないだろうが、便利になったのは事実だ。

 もちろん、従来通りのリスト表示も可能。こちらでもカーソル上の番組は小さなウインドウ内で再生される。一度に9番組が表示できるため、番組名を取得できるEPGを利用するなら、こちらの方が便利かもしれない。表示順は録画順となり、並び順を変更したりグループ分けすることはできない。大容量HDDを搭載し、膨大な番組数を録画可能なだけに、もう一歩配慮のほしい部分ではないだろうか。

photo 録画済み番組のメニュー画面は、動画サムネイル一覧かタイトル一覧を選択できる
photo サムネイル一覧でも番組名は表示される。また、タイトル一覧でもカーソルを合わせた番組は動画サムネイルを表示してくれる。ただ、EPGでタイトル名が自動取得されるので、タイトル一覧の方が実用的な気がする

 また、録画番組の再生を一時中断するときは、少し注意が必要だ。「DMR-E85H」の場合、番組ごとに最終再生位置は記憶しておらず、HDD、DVDそれぞれに最後に再生した番組とその位置だけを記憶するタイプ。したがって、“番組Aを途中まで再生し、テレビ放送を視聴後にAの続きを即再生”ならできるが、“Bを再生してからAの続きを再生”という使い方はできない。この辺はポリシーのようにも感じるが、全体で再生位置を記憶、番組ごとに記憶といったように切り換えて使えると、より便利なのではないだろうか。

 リモコンは、DIGAシリーズ伝統の使いやすいデザインを継承している。再生やメニュー操作に利用するキーは中央部に集中しており、片手で操作する場合、親指の動きだけでカバーできる。キーサイズのメリハリもあり、ちょっと慣れれば再生やメニュー操作は手探りで十分操作できる。またメニュー操作、録画予約などで操作性も統一されており、完成度も高いものだ。

photo リモコンは従来製品と大差ない。中央部に利用頻度の高いキーが集中している。番組表を表示するためのキー、CMの見飛ばしに便利な30秒スキップのキーも単独で準備されている

確実に進化した第3世代DIGA、

 DIGAの広告などをみると、画質や長時間録画が全面に押し出されているが、実際に触れてみると使い勝手の改善の方がメリットは大きいだろう。トップエンドモデルになるDMR-E200Hよりも使いやすい部分は多く、高速ダビング中の並行録画、再生をサポートしたため、DIGA最大の弱点も克服された。またEPGサポートのメリットは計り知れないほど大きいはずだ。

 もちろん「競合製品にようやく追いついた」という部分も見受けられるが、もともと使い勝手の良さには定評があるだけに、DMR-E85Hの魅力は大きい。またDMR-E85Hと同じソフトウェアベースとなるであろう新しいハイエンドモデルの登場も待ち遠しい。

 今回は、主に新機能や使い勝手に触れた。次回は実際の録画品質やダビング、編集機能などを中心にみていきたい。

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