先週のトップは、東京モーターサイクルショーに出展された実走行できる“金田バイク”の記事。関係者によると、すでに昨年の秋には完全な実動車として完成していたという。映画「AKIRA」の時代設定(2019年)の頃でも果たして実現できるのだろうか……と思われていた近未来バイクが、15年も早く登場したことに胸が躍ったのは筆者だけではあるまい。
もっとも、展示会場には静止した状態で置かれているだけで、金田バイクが公道で実走行しているビデオ/写真なども紹介されていなかった(追記:筆者は見れなかったのだが、“サーキット”を走る金田バイクの映像は会場で流していたらしい。関係者いわく「バッチリ実走行できます」とのこと。失礼しました)
確かに間近で見てみると今にも走り出しそうな完成度の高さは十分伝わってくるのだが、この目でその勇姿を見たいと思うのが人情というもの。
ところが筆者は、会場を歩き回って“赤い近未来バイク”の実走行映像を目撃することができたのだ。
読者からお怒りのメールが殺到するかもしれないので、早々にタネアカシをしよう。
金田バイクの記事にも書いたが、これは金田バイクに“よく似た”カスタムバイク「STINGRAY」の実走行映像。消費者リクエスト型受注生産ショッピングサイト「たのみこむ」から生まれたこの金田バイク“風”な近未来マシンが、実は上記の“公認・金田バイク”のすぐ隣りに展示されていたのだ。
愛知県のカスタムショップ「アークシステム・プロアム」が出展したこの近未来カスタムマシンは、金田バイクのスタイルで“キモ”になっているリア駆動部にオーソドックスな2本サスを採用し、シートカウル部もちょっと“族車”っぽい。だが、フロント部の仕上がりは上々で、フロントタイヤもちゃんと片持ちサス&ハブステア構造になっている。これで5速ミッション仕様(250cc/Vツイン)が189万円(税込み)、スクーター仕様(250cc/単気筒)が136万5000円という“低価格”だから驚きだ。
「たかがバイクに100万以上なんて……」と思うなかれ。こんなバイクを仮にワンオフ(完全オーダーメイド)で製作したら、おそらく高級外車並みの価格になるだろう。特にビッグスクーター2台分ぐらいで手に入るスクーター仕様は“お買い得度”が非常に高い。
すでに11台が納車されているこのSTINGRAYだが、完全受注生産のハンドメイドで、しかも完成まで約2カ月の製作期間を要するため、多くのバックオーダーがあり今注文しても1年待ちの状況だという。
ちなみに、映画の“健康優良不良少年”「金田」役の声優・岩田光央氏は、筆者が高校2年の時のクラスメイトだったりする。金田たちとほぼ同じ年齢だったあの頃、バイクに夢中になっていたことを真っ赤なバイクを見てふと思い出した。
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