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多チャンネル時代のEPG「DEPG」を使う(2/2 ページ)

» 2004年05月10日 13時12分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 放送局の登録はテレビ画面でも行えるが(上記の写真を参照)、局名など文字入力を伴うため、パソコンで行ったほうがずっと楽だ。「ネット de ナビ」の「本体設定」から「チャンネル名設定」ボタンをクリック。すると設定済みの放送局一覧が表示される(最初は地域登録した放送局の一覧)。「新規」ボタンを押し、チャンネルポジション、チャンネルコード、チャンネル名などを入力していけばいい。チャンネルコードの一覧はPDFの説明書に掲載されているため、パソコン上でコピー&ペーストしていくこともできる。

photo 完成したオリジナル番組表。チャンネルが増えると、EPGの画面をスクロールする手間が生じるが、必要なチャンネルだけを選択すると最小限で済む。筆者の場合は、スポーツ中継やTVショッピングはまず見ないため、映画・ドラマ系チャンネルを中心に構成した

 もちろん、DEPGで専門チャンネルを登録しても、RD-X4が外部チューナーやSTBを制御してくれるわけではない(同社製テレビの一部は連携が可能)。したがって、録画時のチャンネルポジションは「外部入力」で、録画予約のときにはチューナーやSTB側でも同じ番組の録画予約(視聴予約)を行う必要がある。

 一方、外部チューナーと連携させる方法としては、赤外線(いわゆるAVマウス)や“自動入力”がある。これらはチューナーやSTB側のEPGを使うため、基本的に外部機器の操作だけで済む。AVマウスは、チューナーやSTB側で録画予約を行うと、その時間にリモコンと同じ赤外線信号を出してレコーダーに録画を開始させるというもの。一方の自動入力は、レコーダーの特定の入力端子に映像信号が入ると、自動的に録画を始める機能だ。

 しかし、こうした方法も一長一短だ。番組タイトルや番組情報が付加できないこと以外にもいくつかの問題がある。たとえば自動入力は、単に視聴したくてチューナーの電源を入れたときでも録画を開始してしまうから、普段からレコーダー経由で外部チューナーの映像を視聴している人には不向きだろう。それを避けるため、RD-X4には「入力自動ボタン」があり、手軽にオン・オフできるようになっているのだが、それでもテレビ視聴中(つまり入力自動がオフのとき)は、外部予約の時間になっても録画を始めてはくれない。

 さらに困るのは、内蔵チューナーの録画予約と外部チューナーの予約時間が重なっているのに気づかずに予約してしまった場合だ。AVマウスや入力自動録画で録画しているとき、レコーダー側で予約していた番組が始まると、レコーダーは内部の録画予約を優先する。このため、外部で予約した番組は途中で録画が終了してしまう。

 これに対してDEPGでは、録画予約の時間が重なっていたら、それがどのソース(地上波/BS/CS/CATV)であっても「予約が重複しています」と警告が出る。警告が出たら、「近接予約確認画面」を選択し、どの番組をキャンセルするか、決めればいい。

 ユーザーの嗜好にもよるが、個人的には地上波は“見たら消す”ケースがメインで、DVDなどに残したい番組はCATVの専門チャンネルで放送されることが多かった。むしろ専門チャンネルの録画を優先してほしいくらいで、両方の予約スケジュールを対等に扱ってくれるDEPGはありがたい存在だ。

 難点を挙げるなら、一部チャンネルの番組表が少し大雑把で、番組と番組の間によくある“オススメ番組情報”のようなスケジュールが省略されていたこと(気がついたところでは「日本映画専門チャンネル」がそうだった。対してSTB標準のEPGでは、一つの番組として扱われていた)。そして、予約する番組が連続していると「予約が重複しています」という警告が出る点だ。

 このため、ゴールデンウィーク中によくある「××一挙放送」で連続した番組を予約しようとしたとき、いちいち警告を受けることになってしまった。そのまま予約したら両方の番組が録画できていたから実害はないのだが。

photo 連続した番組は「予約が重複しています」と言われる。しかし、「そのまま予約する」でどちらも録画できる

 専門チャンネルを含めた録画予約の“手軽さ”という点では、例えば“スカパー!”と“スカパー!コクーン”の組み合わせのような専用の環境がベストだと思うし、デジタル放送ならD-VHSや「RecPOT」シリーズのようにi-Link(MPEGストリーム)連携で録画するほうが簡単だ。しかし、テレビの視聴環境やレコーダーに求める機能はひとそれぞれ。たとえばDVDメディアに保存するなど、ハイブリッドレコーダーでなければ出来ないことは多いし、外部チューナーが1台ではないケースもまた多いだろう。

 DEPGなら、一台のレコーダーで自分が視聴できる複数の映像ソース(各種の放送)を一括管理できる。録画環境という点であまり恵まれていないデジタルCATVユーザーにとっても、専門チャンネルを幅広くカバーしたDEPGは有り難い存在になりそうだ。

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