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“軽快”な操作性が身上、日立のハイブリッドレコーダー「MS-DS250」(前編)レビュー(2/3 ページ)

» 2004年05月14日 17時33分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 市場価格で10万円台前半となるハイスペックモデルだけに、「MS-DS250」の高画質へのコダワリは多い。地上波を綺麗に録画するには今や必須となった3次元Y/C分離、ゴーストリダクションチューナーはもちろん装備しており、それぞれの機能をチャンネルごとにON/OFF設定できる。

photo ゴーストリデューサー、3次元Y/C分離はチャンネルごとにON/OFFを設定できる。ただし、初期状態では、すべてOFFになっている点に注意したい。まとめてON/OFFする機能もほしいところだ

 録画モードは、高画質指向で、いわゆるEPモードを省略している。EPモードは、DVDメディア片面に6時間以上の録画が可能な長時間モードで、ビットレートは平均1.4Mbpsからそれ以下となる。必然的に画質は決して褒められたものではなくなるのだが、他社がEPモードの“最大録画時間”を1つの売り文句にしている中、日立の判断は注目に値する。EPモードに対する考え方は人それぞれだと思うが、個人的には英断だといいたい。

 録画モードは、DVDメディア片面にそれぞれ約1/2/4時間の録画が可能な「XP/SP/LP」にくわえ、XPより高ビットレートな「XP+」、XPとSPの中間に当たる「HSP」がある。手動でのビットレート設定はないが、5段階の録画モードがあれば十分という、一種の割り切りだろう。また、留守録の場合には、DVD1枚ピッタリに収まる「ジャストモード」が選択できる。

photo 録画モードは5段階。ちなみにHSPではDVD片面に約1.5時間、XP+では約45分間録画できる

 XP+と同様の録画モードを持つ製品には、ソニーの「スゴ録」がある。これは、最高画質で録画しておき、DVDへ適切な録画モードで再エンコードしながらダビングするのがメインの使い方だ。DVDでは、規格上、映像ビットレートの上限が9.8Mbpsであり、これを超えると、ビデオ形式でもVR形式でもDVDメディアへ書き込むことができないからだ。

 もちろん、「MS-DS250」でも同様の使い方ができるが、バックアップ機能を利用すればXP+モードで録画した番組をそのままDVD-RAMへ書き込むこともできる。さらに、バックアップではMPEG-2形式(PS)で書き込まれるため、そのままPCで再生したり、映像の素材として利用することも可能だ。DVD-VR形式を利用するより、手間がかからず、制限も少ないため、PCとの連携において魅力の1つになるだろう。

photo DVD-RAMは2つのフォーマットが選択可能。PS形式でフォーマットしたDVD-RAMにバックアップできる

 なお、音声はMPEG1-Layer2だ。一般的なMPEGオーディオでの記録で、競合製品に多いドルビーデジタルやPCMでの記録はできない。地上波録画を基準に考えれば音質的に不利だとはいえないが、気になる部分の1つではある。

出演者でも検索可能な録画予約機能

 EPGに対応した録画予約機能も「MS-DS250」の特徴の1つだ。最大100番組/月の録画予約が可能で、毎週の同じ時間の(つまり同じ番組の)録画では前回の録画を上書きすることもできる。予約時に録画延長時間を15/30/60/90分刻みで指定可能で、録画予約の基本はおさえている。

photo 録画予約では、画質や録画延長時間、更新録画(繰り返し録画の場合)などの設定が可能。繰り返し録画は、「毎日」「毎週×曜日」「月〜金」「月〜土」などを選択できる

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