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“軽快”な操作性が身上、日立のハイブリッドレコーダー「MS-DS250」(前編)レビュー(3/3 ページ)

» 2004年05月14日 17時33分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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 EPGは、「ADAMS-EPG」を採用している。他製品の採用例の多い「G-Guide」と比較すると広告スペースがなく、情報量も多いのが魅力だ。テレビ朝日系列のデータ放送として配信され、配信回数も1日10回と多い(G-Guideは1日5回)。なお、受信は配信時間にスタンバイ状態になっているか、テレビ朝日系列のテレビ局を視聴していると自動的に行われる。

 番組表は1列6番組ずつの表示で、一覧性は決して高くない。しかしページスクロールのほか、表示日の切り替え、ドラマ、スポーツといったジャンル別一覧表示も可能だ。さらに、チャンネル別以外の一覧では、放送局、放映日時、番組名でソートすることもできる。操作は、「<<」「>>」キーがチャンネル別や出演者別の一覧表切り替え、左右キーがチャンネルやジャンルの切り替えとなる。

photo 詳細な番組内容が下部に表示される
photo 放送局別一覧以外では表示順の並べ替えもできる

 中でも便利なのは、EPGで取得した情報から出演者を指定して番組を検索できる「出演者検索」だ。好きなタレントなどを事前に登録しておけば(複数登録が可能)、「登録出演者」の番組表を選択するだけで出演番組を一覧、録画予約を行える。ただし、ソニーの「スゴ録」のように自動的に録画してくれる訳ではない点に注意したい。

photo 出演者はEPGの番組情報から抽出されるため、一覧から選択するだけ
photo 出演者は最大5人まで登録できる。ワンタッチで出演番組の一覧が表示される

ナイターシーズンに便利な自動延長録画

 ナイターシーズンに便利なのが、「自動延長録画」機能だ。これは、全ての予約録画を対象として、ほかの予約録画と重ならない範囲で最大60分間の延長録画を行うというもの。最新3件の録画に関しては、延長分を常に保持する。

 もちろん、延長録画より予約録画が優先される。たとえば「A」という番組の予約録画終了15分後に「B」という番組の予約録画が開始される場合、Aの延長録画は15分だけ行われる。あくまで本来の予約録画が最優先だ。

 最新3件という設定が適切かどうかは判断しかねるが、HDDを無駄に消費せず、ナイター延長に対応するための機能としては良く考えられたものだ。ユーザーがナイター放送の有無を気にして事前に録画時間を変更しなくてもすむし、予想外の放送時間延長があっても対応できる。

 延長録画分は、再生終了時(手動で再生停止時も含む)に確認表示が行われ、延長録画分を保存して引き続き再生するか、保存だけ行うか、削除してしまうかを選択できる。ここで保存すれば、最新3件という条件に関係なく保存できるわけだ。

photo 自動延長録画された番組は、再生終了時にこのような画面が表示される。なお、自動延長録画分は別番組として保存される点に注意したい

最新レコーダーとして不満のない使い勝手

 今回は「MS-DS250」の基本的な使い勝手や録画再生機能に触れてみた。HDD+DVDレコーダーとしては後発の製品となるが、それだけに基本をしっかり押さえ、使い勝手も悪くない。リモコンのボタン配置などを含め、よくできているといえる。

 ただ、ハイスペック製品としては少々“マニアックさ”に欠けている。録画、再生時の情報表示も最低限だし、ビットレートのマニュアル設定はなく、音声のPCM記録もできない。AV機器というより、あくまでデジタル家電という位置付けだ。日立らしいといえば日立らしいのだが。

 後編では、画質やダビング機能などに触れてみたい。

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