アテネオリンピックの開催を間近に控え、ハイブリッドレコーダー市場はかつてないほどの活況を呈している。三菱電機と日立製作所が新規参入し、日本ビクターもラインアップを揃えて攻勢に出た。「スゴ録」「PSX」「コクーン」のプラットフォーム統一を明らかにしたソニーをくわえ、東芝、パイオニア、松下電器産業という“4強”がこれを迎え撃つ。
しかし、あらためて各社が投入した新製品を眺めてみると、高付加価値ーーとくにネットワーク対応機能などを持つ製品が見あたらない。ユーザー層の広がりを見越してか、“使いやすさ”“長時間録画”、そして“低価格”といったキーワードばかりが目立つ。
そうした状況のなか、ネットワーク機能でヘビーユーザーを中心に支持されている東芝は、どのような戦略を持っているのか。同社デジタルAV事業部DAV商品企画部の青山幸司氏に話を聞いた。
東芝の場合、7月1日に発売する「RD-XS33」が最新機種ということになる。RD-XS33は、実売価格を8万円前後(オープンプライス)に抑えたエントリーモデルで、やはりネットワーク機能は持たず、「初心者向け」をうたっている製品だ。
「RD-XS33の位置付けは、RD-XS32の後継機だ。DV端子を省き、カートリッジ付きDVD-RAMに非対応という点が異なるが、RDーXS32/35のソフトウェアをベースに“簡単ナビ”を追加した。ただ、HDDが160Gバイトのため、実質的にはRD-XS35+αといえるだろう」(青山氏)。
簡単ナビは、録画予約や再生するタイトルの選択、DVDへのダビング、録画済み番組のタイトル変更といった頻繁に利用する機能をまとめたもの。作りとしては「ソフトウェアはそのままで、エントリーユーザー向けの入り口メニューとなるGUIを一枚加えたようなイメージ」(同氏)。
簡単ナビのメインメニューには、「録画予約」「タイトル一覧/再生」「高速ダビング」といった項目が並ぶ。従来のRDシリーズでは、録画予約なら「録るナビ」、録画済みタイトルを見るなら「見るナビ」と、目的別にボタンとユーザーインタフェースが用意されているわけだが、今回はそれらを横断する形で「初心者がよく使うと思われる機能を集めた。基本操作で迷ったときは“簡単ナビ”を開いてみてほしい」。パソコンでいえば、Windowsの「スタートボタン」のような位置づけだ。
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