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3000円で“ご機嫌バスタイム”、ビクターの「SP-AW300」レビュー(2/2 ページ)

» 2004年06月04日 16時18分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 音が出ることを確認したら、今度はリモコンの設置だ。内側上方にあるリモコンポケットのカバー(ストッパー)を手前に開き、リモコンのクリップを使って固定。あとは同梱されているクッションにポータブル機器本体を包み、蓋を閉めるだけでいい。クッションはウレタン製で、中のオーディオ機器を傷めずに固定してくれる。

photo リモコンポケットの内側。カバーにリモコンのクリップを挟んで固定する
photo 同梱されているクッションにポータブル機器本体を包む

 オーディオ機器をクッションで包むという方法は、すごく大雑把にも思えるが、それだけに汎用性は高そうだ。オーディオ機器のサイズが小さくても、多少厚めでも、包み方を工夫すれば十分固定できる。なお、SP-AW300に入れられる機器のサイズは、150(幅)×150(高さ)×30(厚さ)ミリが上限となっている。

 一方、注意したいのは、リモコンポケットで使用できるリモコンの種類だ。ポケットの素材は、柔らかいが伸縮性はない。このため、押しボタン型ならまず問題はないのだが、スライド式や回転式のリモコンは使用できない。試しにスライド式をセットして使ってみようとしたが、やはり動かすことはできなかった。できたとしても、ポケットを壊してしまう可能性があるので、やはり使わないほうがいいだろう。

半身浴のお供にしてみたら……?

 SP-AW300の「防沫型」とは、JIS(日本工業規格)で定められた防水機能のレベルを示している。定義は「いかなる方向から水の飛沫を受けても有害な影響のないもの」。いわゆる“生活防水”だが、あくまで飛沫(水しぶき)なので、直接シャワーがかかる場所に置いたり、水の中に落としたりといったケースは想定されていない。

 しかし、わが家のお風呂は、賃貸アパートの狭いユニットバスだ。お湯を張るとすぐに全体が暖かくなるので半身浴には最適だが、少なくとも床面でシャワーがかからない場所なんてありはしない。壁掛けも考えてはみたが、キャリングハンドルは背面から数センチ離れているため、難しいことが分かった。

 設置場所に悩んだ末、結局湯船の脇に落ち着く。SP-AW300の本体サイズは190(幅)×240(高さ)×102(厚さ)ミリと省スペースなので、こんなところにも設置できる。ただし、落とす危険があるから、できればもっと広い場所に置きたいところだ

photo 設置したところ。もう少し余裕のある風呂が欲しい

 設置が済んだら、中に仕込んだMDプレーヤーを再生してみる。アンプは、0.5ワット×0.5ワットと小さいが、音量は必要十分だ。少なくとも、狭いユニットバスでは、ボリュームを最大に持っていく必要はなかった。

 リモコン操作も快適だ。操作時以外は「リモコンポケット」にカバーをしておけば、水滴で曇って操作しにくいということもない。もっとも、試用に使ったソニー製の古いMDプレーヤーは「早送り/巻き戻し」が側面に付いていたため、操作はかなり限定されてしまった。お風呂スピーカー購入時には、手持ちの機材のリモコンをよく見てからにしよう。

 肝心の音はというと、まずスピーカーとスピーカーとの距離が近いため、ステレオ感をあまり感じない。また全体にこもったり、反響したりといった印象になるのは、ユニットの性能というより、お風呂という場所に起因している。もともとリスニングルームには適さないお風呂でもあり、BGMと割り切れば納得のいくレベルだ。なんといっても、3000円だし。

 電源は、前述のように単3電池×4本を使用している。駆動時間は、アルカリ乾電池の場合で6時間半程度(カタログスペック)。今回は100円ショップの安物乾電池(4本で100円)を使ったが、それでも連続5時間は音楽を聴くことができた。一日一回、1時間以内の使用なら、一週間近くは持ってくれそうだ。

 さて、使用したあとにも注意が必要だ。説明書によると、「外側についた水滴をしっかりふき取ってから、“平らな場所”で中の機器を取り出します」(説明書より抜粋)。

 つまり、風呂場に置きっぱなしにしたり、不安定な場所で中のポータブル機器を取り出したりしてはいけないということだ。まかり間違っても、風呂場で機材を入れ替えようなんて考えてはいけない。これを忘れると、後で泣きをみますよ。ほんと。

photo 全身浴中のMDプレーヤー。撮影中の事故です(日本ビクターならびにSP-AW300には一切責任ありません)。さらばMD……

 妙なオチがついてしまったが、3000円前後という追加投資で半身浴のお供ができるのだから、SP-AW300はかなり安い買い物だ。お風呂テレビは高くて買えないという人も、これならお小遣い程度で手に入る。カラーバリエーションはオレンジ/ターコイズグリーン/ピンクの3色。お気に入りの色で、お風呂場を飾ってみてはいかがでしょう?

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