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» 2004年07月26日 14時52分 公開

成熟しつつある台湾市場、オンラインゲーム企業は中国進出を加速 ― SIG-OG第2回研究会

ブロードバンド推進協議会は、7月24日にオンラインゲーム専門部会(SIG-OG)の第2回研究会を開催した。台湾のオンラインゲーム市場動向や中国市場の現状などについて講演とパネルディスカッションがおこなわれ、台湾における市場の飽和などが語られた。

[記事提供:RBB TODAY]
RBB Today

 ブロードバンド推進協議会は、7月24日にオンラインゲーム専門部会(SIG-OG)の第2回研究会を開催した。台湾のオンラインゲーム市場動向や中国市場の現状などについて講演とパネルディスカッションがおこなわれた。

 「台湾オンラインゲームの市場動向と今後」と題した講演では、TCA(Taipei Computer Association)東京事務所の駐日代表である吉村章氏と、日本でエターナルカオスや巨商伝を提供しているガマニアデジタルエンターテインメントVice COOの浅井清氏が、台湾のMMORPG市場について紹介した。

 浅井氏によると、台湾のゲーム市場がここ数年で大きく変化しており、1999年はオンラインゲーム3%、パッケージ97%であったものが、2003年にはオンラインゲーム75%、パッケージゲーム25%となり、短期間に急速にオンラインにシフトしているという。ただ、2002年までの急拡大の一方で、その後は市場が頭打ちになってきて市場競争が進み、2002年にはトップ2社の市場占有率が81%であったのが、2003年のトップ2社の占有率は73%と減少傾向を見せ、飽和しつつあるマーケットに多数の企業が参入し、競争が激化しているという。

 また、吉村氏は台湾におけるオンラインゲームの爆発的な普及の原因として、私見と前置きした上で3つの要因をあげた。

 1つは、ゲームを行うプラットフォームとしてPCが子供にも普及しているという点。台湾では教育系ソフトの普及などもあって、親が子供にPCを買い与えることが多いという。

 2つ目は、コンビニエンスストアでのオンラインゲーム用プリペイドカードの販売。近所でプリペイドカードが買えるということで、課金がスムーズにおこなえた。

 3つ目は、オンラインゲームであれば海賊版や違法コピーの影響を回避して収益が確保できるということで、ゲームメーカーが積極的にオンラインゲームに取り組んだという点だ。

 もうひとつの講演「中国オンラインゲーム市場の現状と進出への指標」では、中国最大のオンラインゲームパブリッシャーである盛大ネットワークの日本事務所代表、黄哲氏が、中国市場の特徴や、海外企業の直接参入の困難さについて語った。

 中国でオンラインゲームが普及する要因として黄氏は、インフラとビジネスにそれぞれ5つの要因をあげた。インフラ要因は、

 1:インターネット利用者の急増

 2:ブロードバンドユーザの増加

 3:ゲームのメインプラットフォームがPCであること

 4:ネットワーク接続PCの拡大

 5:インターネットカフェの普及

 また、ビジネス的な要因では、

 1:海賊版問題の解決策である

 2:流通の問題をクリアできる

 3:エンタテインメントに対する欲求が拡大している

 4:低価格のエンタテイメントを求めるユーザニーズにマッチ

 5:コミュニティマーケティングの効果

をあげた。インフラの2については、ブロードバンドはネットカフェに導入されているものがほとんどで、家庭にブロードバンドというのはまだあまり普及はしていないとのこと。また、ビジネス要因の3については、ここ25年ほどの間、中国では可処分所得が増加を続けており、エンターテイメントへの消費を支える要因になっているという。

 黄氏は、日本と中国では、インフラの3(ゲームプラットフォーム)と5(インターネットカフェ)、およびビジネス要因の1(海賊版問題)について違いがあり、日本国内では、なかなかオンラインゲームが普及しないだろうと指摘。PC用よりもゲームセンターの方でオンライン化が普及するだろうと述べ、インターネット接続されたアーケード機「麻雀格闘倶楽部シリーズ」(コナミ)や、あるいは、ナムコ「LEDZONE」のようにPCを置いたゲームセンタースタイルで普及するだろうと述べた。

 その後のパネルディスカッションでは、講演を行った吉村氏、浅井氏、黄氏にボーステック代表取締役の八巻龍一氏を交えて、オンラインゲーム事業の国際企業連携のあり方について討議が行われた。

 この中で浅井氏は、海外企業との提携によって有力コンテンツを手に入れ、効率のいい運営体制づくりをはかる動きが進んでいると述べ、ガマニアがSony Online Entertainment(SOE)との提携でエバークエスト2のアジア展開をおこなうにあたっては、アジア向けのローカライズにとどまらない「カルチャライゼーション」を行って中身もどんどん変えていく計画だ。これはSOEにとってもアジアマーケットの嗜好をコンテンツにフィードバックできるということで、両者の意見は合致しているという。

 また吉村氏は、日本のキャラクタを、韓国のエンジンにのせて、台湾のオペーレションで、中国に持っていくということも可能ではないかと述べ、各国企業が得意としている部分を集める形での、多極的な連携の中でのオンラインゲーム開発の可能性を指摘した。

 SIG-OGは、ブロードバンド推進協議会が主催する、オンラインゲームに関する問題を取り扱う研究会で、第3回は8月下旬の開催が予定されている。

吉村章氏が駐日代表をつとめるTCAは、日本でいうCESAとDCAj、モバイルコンテンツフォーラムをあわせた位置づけの業界団体。

浅井氏は、パッケージゲームはユーザが欲しいと思うものを作れば売れるが、オンラインゲームはゲームの中で満足してくれるサービスを提供し続ける必要があると述べ、遊んでる反応を見て次の商品に反映させる、ということが可能でオンラインゲームはアーケードに近いと指摘。

盛大ネットワークの黄哲氏。中国国内でオンラインゲーム事業をおこなうためには、ICPライセンス、インターネット文化経営ライセンス、インターネット出版ライセンス、インターネット掲示板運営ライセンスの4種類のライセンス取得が必要であることを紹介。