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繭をモチーフにした“つるるん”デザイン――三洋、プラズマ/液晶TV「CAPUJO」

» 2004年08月06日 19時01分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 三洋電機は新シリーズ「CAPUJO(カプージョ)」を含むプラズマ・液晶テレビ「VIZON」の7機種を発表、9月1日より発売を開始する。

 新製品はいずれも地上・BS・110度CSのデジタルチューナーを標準搭載。「第4世代ALISパネル」を搭載し、高精細・高輝度を実現したほか、信号処理回路「VIZONエンジンII」を搭載し、ハイビジョンのみならず地上アナログ放送やDVD/VTRからの映像も高精細に表現する。

CAPUJO

方式 画面サイズ 型番 発売日 価格
プラズマ 42V PDP-42V3(W)、PDP-42V3(S) 10月22日 70万3500円
プラズマ 42V PDP-42HD5 10月22日 71万4000円
液晶 23V LCD-23PD5 10月8日 26万2500円
液晶 17V LCD-17PD5 10月8日 18万9000円

VIZON

方式 画面サイズ 型番 発売日 価格
プラズマ 37V PDP-37HD5 9月1日 65万1000円
液晶 30V LCD-30HD5 9月10日 52万5000円

繭をモチーフにした“つるるん”デザインの「CAPUJO」(カプージョ)

 CAPUJOのデザインを手がけたのは、店舗や家具、パッケージデザインなども手がけるデザイナー、グエナエル・ニコラ氏。

photo PDP-42V3(W)。右手のイスもニコラ氏のデザインしたもの

 「これまでのデザインは、機能とインテリアをマッチさせることしか考えられていなかったが、テクノロジーと人の関係は変化してきている。人との関係を強く持ち、人を包み込むデザインを目指した」と、ニコラ氏はスペイン語で「繭」を意味するCAPUJOのデザインコンセプトを語る。

photo グエナエル・ニコラ氏。「“つるるん”というイメージ。シャープな部分もあるが、つややかな感じを出したかった」

 「これまではクセのない・飽きのこないデザインを重視してきたが、より愛着を持ってもらう製品を目指して、CAPUJOシリーズを投入する」(同社常務執行役員 コンシューマ企業グループ コンシューマ営業本部 本部長 井植敏彰氏)

新製品が目指したのは、「高画質」「高音質」「優しさ」

photo 新製品のコンセプト

 搭載されている信号処理回路「VIZONエンジンII」は、「プログレッシブコンバーター」「フォーマットコンバーター」「ダイナミックパネルドライバー」の総称(LCD-23PD5とLCD-17PD5には「VIZONエンジンLE」が搭載されている)。

photo VIZONエンジンIIの概略

 このVIZONエンジンIIは4月に発表された「LCD-27HD5」にも搭載されているが、新製品への搭載にあたって、プログレッシブコンバーターを改良、ノイズおよび斜め線のジャギーを低減したほか、振れ幅の大きな輪郭をくっきり表現する「ディテールAIエンハンサー」や、映像のちらつきを画素単位で検出・除去する「フリッカーキャンセラー」などが強化された。

 搭載されているプラズマパネルは第4世代ALISパネルとなり、42V型ではピーク時の輝度が第3世代の1100カンデラ/平方メートルから、1200カンデラ/平方メートルに向上している。青色の蛍光体も改善されており、「CRTを凌ぐ青色純度を実現した」(同社)。カラーフィルターは新設計で、色再現性が向上したという。

photo プラズマ42V型のPDP-42V3(S)。1200カンデラ/平方メートルの明るさは業界最高レベル

 音質に関しても、42V型のPDP-42V3、PDP-42HD5は、本体に10ワット+10ワットのステレオスピーカーを搭載するほか別売のラックには20ワットのスーパーウーハーが内蔵されており、組み合わせることによって、合計40Wのハイパワーを実現する。

 全機種にUSB端子を装備、デジカメ画像をTVで楽しむことができるほか、HD5シリーズにはセンター停止機能付き電動スイーベル機能が搭載された。また、PDP-42V3/PDP-42HD5/PDP−37HD/LCD-30HD5には多機能型タイプとシンプルタイプ、2種類のリモコンが附属しており、利用シーンに応じて使い分けることができる。

photo 23V液晶を搭載した「LCD-23PD5」。前面にUSB端子を備える
photo PDP-42V3/PDP-42HD5/PDP−37HD/LCD-30HD5には2種類のリモコンが附属する

42V以上の大型製品は登場するか

 今回発表された製品では、42V/30V型にはプラズマ、それ以下のサイズには液晶が使用されている。大型液晶製品の投入について同社では「液晶TVの大型化という流れは理解しているがパネルがまだ高価。取り組みとしては継続したい」と慎重な姿勢を崩さない。

 また、ライバル社の1つ、シャープは45V型という大型製品を夏商戦向けに投入しているが、42V型以上の大型製品について同社では、「コンシューマー向けとしては42V型まででカバーできると考えている」との考えを示した。

 「CAPUJOの投入は大きな挑戦」と語る同社。同社では、今年の薄型TVの出荷台数目標を14万台とし、現在1%である国内シェア率を新製品の投入によって4%まで引き上げたい考えだ。

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