前面USBポート(USB2.0対応)では、USBマスストレージクラス対応のストレージを接続し、保存されているファイルの再生が可能だ。ただし、外部ストレージのファイルシステムがFAT/FAT32に限定されている点は「AVeL LinkPlayer」と同じ。どちらかといえばUSBメモリカードリーダーを接続して、デジカメで撮影した画像をさっと楽しむといった使い方がメインになりそうだ。
同社のネットワークストレージ「LinkStation」に保存されたファイルも再生できる。ファイルサイズに制限がないため、高ビットレート、長時間録画されたMPEG2ファイルでも再生が可能だ。なお、同社の「PCast」シリーズでは、PCにテレビを録画した後で動画ファイルを「LinkStation」にコピーする機能がある。つまり、PCの電源を落とした状態でも、録画番組をLinkTheaterで再生できるわけだ。
本製品の魅力は、Windows MediaVideo9対応にくわえ、着実に改善が進んでいる使い勝手の良さだろう。依然として違和感を感じる部分が残されてはいるが、競合製品に比較すると改善が進んだと思う。また、従来モデルに比べてリモコンの使い勝手が向上しているのもポイントだ。
反面、気になるのは価格だ。従来モデルとの価格差は1万円前後であり、機能的な大きな違いがWindows MediaVideo9対応にとどまることを考えると、少々高い印象を受ける。現在はまだ予約の段階のため、“初物価格”だとは思うが、直接のライバルとなる「Avel LinkPlayer」が僅かな価格差で無線LANを内蔵している点を考慮すると、やはり高いという印象は拭えない。
今回は、Windows MediaVideo9対応を果したネットワーク対応マルチメディアプレーヤー2製品に触れた。いずれも試作機のため、絶対的な評価はできないものの、「AVeL LinkPlayer」は無線LAN内蔵という点ではお買い得感が強く、MPEGファイルであれば続き再生(DVDレコーダーでいうリジューム機能)も使える「AVeL LinkPlayer Advanced Server」も魅力。一方の「LinkTheater」は使い勝手の良さが光った。
ただし、両製品ともデコードチップの制限からは逃れることができず、WMV、DivX、XviDといったファイルの早見/早戻し再生がいまひとつスムーズさに欠ける。それほど気にしないという人もいるだろうが、ヘビーに使えば使うほど気になってくるだろうし、操作体系が家電製品ほど依然こなれていないのも事実だ。操作に関しては、サーバソフト側に依存する部分も多いはずなので、まだまだソフトウェアアップデートで改善することも可能なはず。両製品とも今後のバージョンアップにも大いに期待したい。
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