百科事典はブリタニカ国際大百科事典が収録され、そのほかにも花作り花育てQ&A、家庭の医学や血液サラサラ健康事典などが収録されている。これらのマルチメディア系辞書は、図表・写真などが多数収録されおり、見て覚える学習効果は高いだろう。検索、抽出した対象の文中に、「図」という記号があれば、「図・表」ボタンから画像・図版の呼び出しが可能だ。また、辞書によっては検索/決定ボタンによる画像・表のスライド表示も可能であり、こちらも効果的だ。
各辞書へのアクセスは、最上段から1段下の「メニュー」ボタン、各辞書ボタン、もしくは最上段の「一括検索」ボタンから行える。ほとんどの辞書で、1文字ずつの絞り込み検索が行われ、英語のスペルに関しては多少うろ覚えであっても探し出すことが可能だ。
複数の辞書を対象に検索する一括検索機能も搭載する。日本語で検索すると、国語辞典はもちろんのこと、類語や和英、ことわざや四字熟語、そして百科事典のブリタニカやカタカナ英語辞書からも候補を絞り込むことが可能だ。また、候補が多すぎる場合には、「切替」ボタンにて完全一致検索への切り替えが可能だ。
そのほか、単語帳機能やジャンプ機能といった電子辞書としてはスタンダードな機能も備えるほか、1つの辞書の検索結果を表示しながら画面切り替えなしで別の言葉も調べることができる「W検索機能」なども備えている。ユニークな機能としては、単語帳に記録してある語にマーカーを引き、学習に役立てることのできる「マーカー」機能なども備えている。
そのほかの辞書を紹介すると、薬がわかる本 2004年度版やサプリメント小事典、働きざかりのこころの病気といった健康系、冠婚葬祭入門や魔法の粉ベーキングソーダ、「汚れを落とす!」ワザあり事典などの生活系、最新インターネット用語のようなビジネス系、英語/イタリア語/フランス語/スペイン語/ドイツ語のほかに中国語や韓国語も含めた7カ国会話(英語を含めると8カ国語)などが収録されている。
どちらかと言えば純然たるビジネス用途よりも、家庭内での諸事に関するコンテンツや英語(TOEIC)学習などによりボリュームが割かれている感じであり、性別を問わず幅広い年代層をターゲットとしているように感じられる。
そして、本製品にはSDメモリーカードで提供されるコンテンツカードにより拡張が可能という発展性もある。コンテンツカードには百科事典や漢字源、模範六法やドイツ語/スペイン語/フランス語、そしてリーダース英和辞典やロングマンの英語辞典などが用意されており、用途に合わせて独自のカスタマイズが可能だ。
これらの辞書を効率よく利用するための機能として、良く使う辞書を登録して、すばやく呼び出すための「My辞書」機能がある。このMy辞書には合計19までの辞書を登録でき、数字ボタンによるショートカット呼び出しも可能となる。ところが、呼び出しには「メニュー」→「My辞書(あるいは"Mボタン")」のような2ステップが必要である。できれば1ステップで呼び出す専用ボタン化を望みたい。
本製品は一般的な電子辞書の機能に加えて、カラー化、TV出力、SDメモリーカードスロットによるデジカメ画像表示や辞書拡張機能などを備え、家庭内の中心において活躍できる家電としての可能性を持った製品だ。
辞書に関しては、生活系コンテンツが特に充実しているわけだが基本となる国語/英語系辞書も充実している。これで足りなければコンテンツカードで拡張すれば良いわけだ。ただ、さらに欲を出してしまうと、せっかくステレオスピーカーを搭載していることでもあるし、音声機能に対応したコンテンツが「TOEIC テスト 英単語・熟語マスタリー2000」だけというのはさみしい。もう少し本体に収録されていればと思ってしまう。
そして、もうひとつ今後のカラー電子辞書に対する要望を挙げるとすれば、文字と画像の融合を望みたい。
本製品ではコンテンツに含まれる画像を表示するには、図版アイコンが表示されていることを確認した上で、さらに「図・表」ボタンを押す必要がある。しかも、画像は画像として表示されてしまうため、紙の百科事典のように“読みながら見る”ことができない。次モデルでは、より画像の価値を高めるためにも、文字中に画像が挿入される表示方法を期待したい。そして、その画像に対し"拡大表示する"といった使い方ができれば大画面液晶もより活用できるだろう。
製品名 | PW-C8000 |
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サイズ | 147.2(幅)×111.5(奥行き)×17.1〜21.6(厚さ ミリ)、約304グラム(充電池・保護カード含む) |
液晶 | 5インチカラーTFT液晶(320×240ドット) |
表示 | 9ドット(32文字×18行)/12ドット(26文字×17行)/16ドット(20文字×13行)/24ドット(13文字×8行) |
電源 | リチウムイオン充電池 |
バッテリー駆動時間 | 約20時間 |
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