せっかく大画面テレビやAVアンプがあるのなら、ゲームも迫力の画と音でプレイしてみたい。おそらく、大画面テレビやフロントプロジェクターを購入した人なら、一度は実践してみたことがあるだろう。
私もその一人。初めて液晶プロジェクターを購入したときは、嬉々として「セガサターン」(古っ)や「PCエンジン」(古っ)を接続したものだ。しかし、当時使っていたMUSE対応の液晶プロジェクター(これも古っ)は黒の階調表現がイマイチで、ゲーム音声も普通のステレオだったため、すぐに飽きてテレビに戻ってしまった。そんな経験があるためか、ゲーム機やプロジェクターを買い換えた今も、ホームシアターでゲームをプレイしてはいない。
だが、最近は状況が全く異なるようだ。パイオニアとマイクロソフトが主催した報道関係者向けの「Halo 2」体験会で、最新ゲームのサラウンド効果を体験してきた。
Halo 2は、マイクロソフトが11月11日に発売予定のアクションシューティングゲーム。全世界で500万本を販売した「Halo」の続編で、流出騒ぎも記憶に新しい期待の新ソフトだ。それはともかく、今回の体験会は、パイオニアが冬商戦の重要な商材と位置づけるワイヤレスリアスピーカー搭載のホームシアターシステムと組み合わせ、ドルビーデジタル5.1chサラウンドを訴求するのが目的らしい。なお、Xbox用ソフトは基本的にすべてドルビーデジタル音声で、5.1chサラウンドをサポートしているソフトも多い(ドルビーデジタルはモノラルから5.1chまで対応)。
体験会の会場は、目黒にあるパイオニア本社の視聴室。AVアンプやDVDレコーダーの取材で何度か訪れたことのある場所だが、今回は少し様子が違った。ゲーム誌が多いのか、周囲はいかにも“ゲーマー”といった趣の人たちばかりで、これまでの人生でクリアしたゲームの数が一桁というエセゲームファンにはちょっとツライ状況だ。協力プレイなどの参加は後で考えるとして、とにかくサラウンドと大画面を堪能することにする。
最初のデモンストレーションは、視聴室に備え付けてあるハイエンドシステムで行われた。フロント、センターはもちろん、リアスピーカーにいたるまで、すべてパイオニアが誇る「Exclusive」ブランドのスピーカー……プロフェッショナルスタジオモニターの「model2404」である。200インチクラスのプロジェクター画面も手伝い、デモはさすがの迫力だ。
冒頭の映像シーンなどは制作側も随分力が入っていて、3Dアニメ映画を見ているのと変わらない。「コヴナント」(Haloシリーズの敵役)のエイリアン顔もリアルに気色悪い。もちろん音声もサラウンド再生を意識した作りで、ホームシアターのコンテンツになり得るクオリティといえる。
しかし、やはり気になるのはプレイ中のサラウンド効果だ。体験会に同席したドルビーラボラトリーズインターナショナルサービスインク日本支社の糸川あや氏によると、「あらかじめ音声を作り込める映画と違い、プレイによってミックスの変わるゲームの場合は、(リアルタイムに処理を行う)ソフト開発が重要だった」という。
言われてみれば、なるほどと納得だ。ただ一方で、この点がゲームとサラウンドの微妙な距離感に繋がっているようにも思えた。つまり、映画とサラウンド再生に慣れた人ほど、ビデオゲームのサラウンド効果に漠然とした疑問を抱くのではないだろうか。自分を省みてもそう感じるし、AV専門誌やゲーム誌の扱い方を見てもそう思う。
実際、改めてサラウンド再生対応のゲームタイトルを調べてみると、Xboxはもちろん、Playstation 2、GAME CUBEを含めて、結構な数のゲームタイトルが存在するのだが、この点にフォーカスした記事や特集というのはあまり見ない。糸川氏の「ゲームはそろそろ、音で評価されてもいい」という指摘は、たぶん的を射たものだ。
また、音響効果がゲーム性に与える影響も無視できない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR