1位 対談 小寺信良×津田大介(2)――音楽ファンとレコード会社の“思い”は、なぜすれ違うのか
2位 [WSJ] iPod PhotoとiRiver H320を使い比べてみた
4位 対談 小寺信良×津田大介(3)――コンテンツ業界は今、なにをするべきか
5位 御三家とは一線を画すクオリティ――ソニー“シネザ”「VPL-HS50」
6位 最新ゲームはホームシアター向け?〜「Halo 2」を体験してきました
7位 デジタル伝送のコードレスヘッドフォン普及版――ソニーらしさ光る「MDR-DS4000」
8位 今度は9ギガ使い切りました――「グランツーリスモ4」完成披露会を開催
「私的複製はどこへ向かうのか」――そんなテーマを掲げた特集も、小寺氏と津田氏の4回に渡った対談でひとまず終了。レコード会社とユーザーとの間に存在する意識の違いに触れた、対談第2回の記事が先週のトップとなった。
ITmediaでも大きく取り上げてきたCCCDや輸入権などの問題を眺めていると、どうにもレコード会社が打ち出してきた方針は「いかにパッケージを販売するか」に力点が置かれており、単純に“音楽を聴きたい”というファンの心から離れてしまっているように感じられる(そうしたレコード会社にも、純粋に音楽を愛してやまないエンジニアやプロデューサーなどがたくさんいることは筆者も承知している)。
確かにレコード会社はアーティストの制作した音楽を販売することが仕事であるし、アーティストとしても創作したものに対して対価が入らない状況はつらい。CDが売れないとみんな大変だ。
こうした事情を、頭では理解できる。しかし、輸入盤が1枚1500円程度で買えてしまうのに、「売れ筋の国内盤」というだけでほぼ3000円という均一価格が付けられている状況では、どうしてもレコード会社に対して不信感というか、違和感を感じてしまう。
レコード会社の主張も理解できるが、聞き手あってこその音楽であることも事実。中古市場に目をやれば、流通量の多いものは価格が下がり、少ないものについては価格が上がっている。筆者は、欲しいものに対して需要と供給で値段が決まる状況こそが健全ではないかと考える(再販制度の問題もあるが、ここではひとまずおいておく)。
中古CD市場の動向については正確なデータをもたないが、少なくとも新譜CDの販売金額はここ数年下がり続けており、「音楽離れ」や「違法コピー」「P2P」などが原因ではないかと言われている。しかし、ここまでCD販売が落ち込んでいる以上、レコード会社側からもなんらかのアクションが必要ではないだろうか。
対談の中で津田氏は「新人アーティストのファーストアルバムは1500円、次は3000円という柔軟な価格戦略もアリでしょう」と意見を述べ、なぜそうした価格戦略をレコード会社が採用しないかと言うことについては「3000円のCDを売ってナンボという硬直化現象を起こしているからだ」と指摘する。
レコード会社側も、東芝EMIが音楽配信サービスへ提供している楽曲についてCD-DA化を許可するなど、徐々にではあるが新しい動きを見せ始めている。それだけに、国内盤CDの販売価格についても一考してもらえないだろうかと願う筆者だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR