日本航空インターナショナル(JAL)は昨年発表した機内インターネット接続サービス「JAL SkyOnline」を12月9日からスタートさせる。そのデモンストレーションが11月25日から11月28日にかけて丸ビル1階「マルキューブ」の特設ブースで行われる。
航空機のキャビンからインターネットにアクセスするサービスは、ルフトハンザ ドイツ航空、全日空でも行われているが、JALは、インテルとNTTコミュニケーションの協力のもと、「街中から空港、そして機内へと続くシームレスなネットワークアクセス」をキーワードにサービスを展開する。
JALが提供する機内インターネット接続サービスは、12月9日から、東京とロンドンを結ぶJAL401便と402便で利用が開始される。ネットワークを構築するシステムはボーイング社が提供する「Connexion by Boeing」(CBB)を利用するもので、上空の航空機と地上のデータセンターを人工衛星を介して接続し、インターネット網にアクセスする。
JAL401/402便の機内には802.11b/g対応のアクセスポイントが用意され、機内ルータに接続したアンテナから通信衛星に向けて送受信が行われる。衛星を介する通信のスペック的データ転送速度はアップリンク1Mbps、ダウンリンク5Mbpsであるが、実用上は「チューニングを行っているところだが、現在は100〜200Kbpsといったところ」とJALは説明している。
機内ネットワークを利用するには、機内でConnexion by Boeingに登録をする方法と、すでに利用しているNTTコミュニケーションの「HOTSPOT」のIDでログインする方法が選択できる。
CBBを利用する場合、機内でブラウザを起動して最初に表示されるCBBポータルサイトで手続きを行う。利用料金は東京とロンドン間のフライトごとに定額29.95ドル、もしくは最初の30分9.95ドル+0.25ドル/分の従量制が選択できる。ただし機内設置サーバに収録されたJAL SkyOnlineオリジナルコンテンツにアクセスする場合は無料。
HOTSPOTユーザーがCBBを利用するには、事前(飛行機に搭乗する前)にHOTSPOTの「グローバルブロードバントローミングサービス」にCBBローミングを追加する必要がある。利用するときは、機内で最初に表示されるCBBポータルでHOTSPOTのIDとパスワードでログインするようになる。この場合、料金は定額の「3500円/フライト」のみ。ほかのHOTSPOT料金とまとめて請求される。
マルキューブで行われるデモンストレーションでは、エグゼクティブクラスの「シェルフラットシート」に実際に腰掛けて、客室乗務員のアドバイスをうけながら、用意されたノートPCでJAL SkyOnlineを体験できる。
ただし、実際の運用においては、PCやネットワークに関する技術的サポートを客室乗務員から受けることはできないとJALは説明している。技術的なサポートについては、サービス開始から3カ月のあいだ登場するCBBのスタッフ(各便1名)が対応することになる。
気になる「電子機器の利用制限」については、制限が緩和される予定。現在の改正航空法では「常時作動させてはならない電子機器」とされている無線LAN端末は、Wi-Fiに準拠している802.11b/g対応無線LAN搭載機器であれば「巡航時に利用できる」ことになる。
JALでは、機内ネットワークサービスを長距離国際線で順次導入する計画で、来年の5月にはニューヨーク航路で採用する予定。機内ネットワークサービスの普及についてJALは「長距離路線に積極的に導入していく。3〜4年後には利用できることが当たり前になるだろう」と述べている。
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