11月26日、東京銀座のソニービルでソニーマーケティングとミックインターナショナル、あさだ考房、共同企画のセミナー「デジタルカメラで撮る天体写真」が開催された(既報ニュース)。
このセミナーは、ソニーマーケティングが開催する「ITエンターテインメントセミナー」のひとつであり、各講座で約40名ほどを募っており、銀座・ソニービル内で定期的に行われている。ソニーサイト上を見ると、ほかにもPCに関わるデジカメ撮影法やフォトレタッチ、ホームページ作成、動画編集など幅広いセミナーがあることが分かる。
筆者が参加した「デジタルカメラで撮る天体写真」は、見渡したところ20代〜60代と思われる幅広い層が集っており、講師である浅田英夫氏から機材の操作性やデジタルカメラで撮影する天体写真の魅力を聞くという内容だ。同氏は、日本天文学会所属・天文教育普及研究会・副会長であり、天文書籍の著者でもある。
受講者それぞれの卓上には、PC(VAIO type R)と自動導入天体望遠鏡(米Meadeの「ETX-70AT」、国内総販売元:ミックインターナショナル)が用意され、実際に体験することができるのが特徴となっている。一般的に、天体望遠鏡の専門ショップは各地にあるほどではないため、PCとの接続も兼ねて実際に触れることができるのは、貴重な場だといえる。
前半は、ETX-70ATの基本的な操作を始め、USB−シリアル変換ケーブルを介してPC上の「ミードナビゲーター」から制御する手順が紹介された。
コントローラ(オートスター)によってモーター制御するETX-70AT本体は、PCの周辺機器といっても構わないほどの感覚で操作が可能だ。特にこのタイプは自動導入望遠鏡(自動導入天体望遠鏡)と呼ばれている。全天の惑星や恒星をメニュー操作可能な「オートスター」(製品名)を使い、天体の自動導入操作ができる。
自動導入を行うための初期設置は、「北」の方角と、天体望遠鏡の「鏡筒を地上に水平な位置」に合わせるだけであり、ホームポジションと呼ぶこの体制後、オートスターの操作で通常は2つの基準星を視野に導き、実際との誤差を修正する。これにより、オートスターのデータベースと、実際の恒星位置をシンクロさせるのだ。
この操作は慣れると3分程度で完了するため、たとえ市街地で見たい星が見えづらい場所でも、自動導入によって目を凝らせばそこにある、といった状態にまで追い込んでくれる。これが自動導入望遠鏡の醍醐味だ。
後半は、デジタルスチルカメラで撮る天体写真についてが語られた。浅田氏からは70mmでアクロマートという光学系、架台も必要なことから「ETX-70ATでは、月、惑星が中心ですね」と語り、デジタルカメラと接続するための既製品「デジタルカメラアダプターII」(ミックインターナショナル)が紹介された。
ほかにも浅田氏が撮影したヘールボップ彗星やペルセウス座流星群、オリオン座の星野写真などが披露され、おそらくほかのセミナーとはひと味異なるセミナーでは? と思わせてくれる癒しの天体写真を幾つも見せてくれた。
講演最後のQ&Aでは、受講者から「オリオン大星雲の写真を撮るにはETX-70ATでは役不足?」「屈折式と反射はどちらがよい?」などと具体的な質問が飛び交い、ある程度前提となる知識を持っている人が多いことが分かった。
浅田氏は、12月13〜14日にかけて見られる天文現象「ふたご座流星群」に注目してほしいと言い、月明かりの影響が少なく、2001年のしし座流星群ほどではないものの期待ができると語った。
なお、このセミナーは次回開催が2005年1月28日(金)に予定されており(1月21日締め切り)、ソニーサイトで受講者を募集中だ。
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