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三菱が作った20万円台前半の“ホームシネマDLP機”「LVP-HC900J」レビュー:劇場がある暮らし――Theater Style(3/4 ページ)

» 2004年12月10日 23時07分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 電動アイリスを動かしてみたが、輝度スペックの値を見ても解るとおり絞りの可変幅は大きくない。解放時でも黒浮きやコントラスト低下はさほど感じないので、部屋の明るさや壁・天井の色、それに投影サイズに合わせて適当に調整するといい。たとえば120インチ程度で投影するならば、アイリスを開け気味にしてホワイトの輝度を稼ぎ、ホワイトエンハンスメントはオフにしておく、といった調整を行うといい。

photo アイリス全閉(上)とアイリス全開(下)。電動アイリスを調整すると輝度とコントラストのバランスを取ることができる。周りの明るさやスクリーンのゲイン、サイズなどによって、見た目で最適なポジションを選択する。コントラストは十分に高く、開放時でも黒浮きは目立たない
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 デフォルトの色温度設定(6500度)も適切で違和感はない。ガンマは薄明かりでの利用を想定しているのか明るめで、完全に明かりを落とした部屋で見るならやや暗くした方が印象は良いだろう。トーンカーブは標準、シネマ1、シネマ2とあるが、中明色をやや持ち上げシャドウを落とした“シネマ1”の設定は、特にフィルム映画で良い結果が得られる。これで暗すぎる場合は“シネマ2”を試すといいだろう。彩度は控えめで階調の繋がりを重視したセッティングを指向しているようだ。

 一方、これとは別にsRGBモードも備えている。sRGBモードに設定すると色温度やトーンカーブは固定され、本機はsRGB規格で決められた特性をトレースしようとする。DVI端子にPCを接続してデジタル写真のスライドショーを表示する場合や、ビデオソースを映し出すのに向いている。多少控えめだった色も濃く、鮮やかなに描かれるテレビ調の表現だ。アニメ映画にも向いているだろう。


 写真はすべてsRGBモード時のもの。色の正確さや濃度の高さなどはsRGBの方が印象が良い。ただしsRGBモードではガンマや色温度は固定となり調整は行えない。

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