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お父さんのための「食器洗い乾燥機」入門年越し企画(4/5 ページ)

» 2004年12月29日 05時43分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 象印が実施した食器洗い乾燥機購入者に対するアンケート調査によると、購入時に最も重視したのは、まず「食器容量の多さ」で、次に「設置スペース」だという。つまり、一度に多くの食器を洗いたいが、設置スペースが大きくてはダメ。相反する課題をメーカーに突きつけているわけだ。

 最新の食洗機は、幅55センチ前後、奥行き35センチ前後、高さ55センチ前後の製品がほとんどだ(スペック表を参照)。このサイズは、一般的な家庭のキッチンを実測して割り出したもので、キッチンの実用性を損なうことなく設置できる最大限の大きさを目指している。

photo 狭いキッチンでも、なんとか置けるという展示。シンクに凹凸があって設置しにくいときは、オプションの設置プレートを使用する

 各社は昨年、この範囲で容量の拡大に取り組み、インバーターなど部材の小型化&薄型化を勧めてきた。その結果、最新機種の場合は、庫内容積が50リットル以上に及ぶ。

 ただし、“大容量化競争”は、既に終盤に差し掛かっているようだ。「おそらくサイズ的には限界に近い。現在の6〜7人分、60点前後でフィックスしたと思って良いのではないか」(日立H&Lの前川氏)。さらなる大容量化を期待して買い控えていた人達も、決断して良い頃といえそうだ。

 なお、食洗機が一度に洗浄できる容量を示す「×人分/食器×点」という表記は、やはり電機工業会が食器洗い機の容量を示す指針にしているもの。大皿から茶碗、小皿、湯飲みなどを1セット(=1人分)として計算するため、たとえば「小皿だけを何枚増やしても人数にはカウントされません。セットの中で最も大きな27センチ径の大皿が入らないとダメ」(前川氏)。

 同サイズの製品の中では、日立H&Lの「KF-W70EX」が7人分を収容可能で、一つの特徴になっている。また、縦長サイズの象印「BW-FS80」は、食器点数こそ48点になるが、8人分を同時に洗浄できる。キッチンの設置スペースと、普段使用する皿の種類を考えて選択したい。

実はすごく重要なカゴ

 食器を配置するカゴは、ユーザーが一番多く触れる部分だ。それけに、各製品ともメーカーの思想や考え方が多分に反映され、オリジナリティのあるカゴを作り出している。

 たとえば松下「NP-60SS5」は3段式で、上段はフルフラット、中断には可動部分があり、鍋やフライパンを洗うときは折りたたんで広く使用できる。また、カゴの上で食器を固定するピンを折り曲げ、食器の出し入れを容易にした点も特徴だ。

photo ピンを折り曲げている

 2段式のシャープは、用途によってピンを折りたためるカゴを採用。さらにスライド式の小物カゴにより、箸やスプーンをスムーズに出し入れできる。小物のためにカゴ全体を動かす必要がない。

photo シャープ「QW-SV1」の庫内

 三洋電機は、ステンレスカゴの上に自由に配置できる樹脂製の「マジカルカゴ」が特徴だ。洗う食器の量や種類により、マジカルカゴを上段、下段のどちらにも配置できるため、食器の種類や量によって使い分けが可能になる。また、カゴの下に車輪を付け、重い食器が入っていてもスムーズに出し入れできる点も同社の特徴。

photo カゴの下に車輪があり、重い食器が入っていてもスムーズに出し入れ可能

 一方、カゴを極力シンプルにしたメーカーもある。たとえば東芝は、3段構成の上段および下段は可動部分のない単純な構造のカゴだ。ややこしいことを考える必要がなくて楽だろう。

photo 東芝の庫内

 日立H&Lのカゴもシンプルなスタイル。とくに同社の場合は上段と下段の間にスペースがあり、カゴを庫内に置いたまま、大皿を並べることができる。皿を並べて重くなったカゴを動かす必要がない点はありがたい。

photo 日立のカゴ。上段に段差があり、下段はカゴを引き出さずに大皿を並べることができる

 各社とも工夫を凝らしたカゴだが、やはり使う人によって好みが分かれる部分だ。やはり、店頭で実際に触って判断するべきだろう。

販売店に「売れ筋」を聞いてみた

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